研究課題/領域番号 |
15580273
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用獣医学
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
杉山 誠 岐阜大学, 連合獣医学研究科, 教授 (80196774)
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研究分担者 |
源 宣之 岐阜大学, 応用生物科学部, 教授 (10144007)
北川 均 岐阜大学, 応用生物科学部, 教授 (70144003)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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キーワード | A群ロタウイルス / 血清疫学調査 / 発現精製VP8 / ラテックス凝集試験 / P遺伝子型 / 人獣共通感染症 / 感染環 / 日本脳炎ウイルス |
研究概要 |
A群ロタウイルスのP遺伝子型に特異的な抗体を検出しうるラテックス凝集試験法の開発を行った。その結果、ヒト由来ロタウイルスWa株のVP8蛋白質を抗原としたラテックス凝集試験では、ヒトの主な流行遺伝子型P[4]とP[8]ロタウイルスに対する抗体を特異的に検出できることが明らかとなった。同様に、サル由来のSA-11株を用いたラテックス凝集試験では、動物の一部で流行している遺伝子型P[2]とP[3]ロタウイルスに対する抗体を、ハト由来のPO-13株を用いたラテックス凝集試験では、トリの流行遺伝子型P[17]ロタウイルスに対する抗体を特異的に検出可能であった。自然界におけるA群ロタウイルスの感染動態を解明することを目的に、今回開発したラテックス凝集試験を用いて、人、家畜、愛玩動物及び野生動物に対する血清疫学調査を実施した。鳥類においてのみ流行していると考えられてきたトリロタウイルスが人を含む哺乳類にも感染していることから、本ウイルスが人獣共通感染症の病原体である可能性が示唆された。一方、各種動物で様々なロタウイルスの感染が起きていることが推測され、特にウシとイノシシにおいて既知あるいは未知のロタウイルスの感染が高頻度に起きていることが示唆された。このように血清疫学調査から未知のA群ロタウイルスの流行を推測できたことは、本感染症の制御のための貴重な方法論を含む情報を提案していると考えられる。また、本研究のために収集された野生動物の血清を用いて、日本脳炎に関する血清疫学調査を実施したところ、イノシシが日本脳炎ウイルスの増幅動物である可能性が明らかとなった。日本に養豚が導入される以前の本ウイルスの流行に、イノシシが大きく関わっていた可能性と同時に、今後の潜在的宿主となるリスクを指摘することができた。
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