研究課題/領域番号 |
15580274
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
後藤 義孝 宮崎大学, 農学部, 助教授 (30142136)
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研究分担者 |
芳賀 猛 宮崎大学, 農学部, 助教授 (20315360)
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キーワード | 抗酸菌 / Mycobacterium avium / Nramp-1遺伝子 / 感染抵抗性 / RFLP解析 / NK細胞 / マウス |
研究概要 |
ヒトおよび家畜から分離した抗酸菌の多型性の解析:豚の抗酸菌症例およびヒトの非定型抗酸菌症例から多数のMycobacterium avium(M.avium)を得た。これらからDNAを抽出しパルスフィールドゲル電気泳動装置を用いてrestriction fragment length polymorphism(RFLP法)による多型性解析を行った。現在、ヒトと家畜(もしくはトリ)から分離された各菌株間のみならず同一個体から経時的に分離した菌や、同一集団内で発症した各個体から分離された株間でのパターン比較をおこない、地域(南九州)における汚染状況、感染のひろがり等に関する情報を得つつある。 M.avium感染マウスにおけるNramp1遺伝子とNK細胞の役割:M.aviumはマクロファージに寄生し増殖する細胞内寄生性病原体であり、ヒトの場合は防御機構としてTh1細胞を中心とした細胞免疫が、またマウスにおいては細胞性免疫のほかにNramp-1遺伝子を含む自然抵抗性が大きな役割を果たしている。また近年の研究では、NK細胞が初期防御システムとして重要な役割を果たしている可能性が強く示唆されている。そこで今回、C57BL/6マウスとベージュマウスNramp-1抵抗性コンジェニックマウス(遺伝的背景はともにC57BL/6)、を用いてNramp-1遺伝子とNK細胞との関係を中心にNK細胞のM.avium感染症への影響について調べた。NK機能の低下したベージュマウスにおいてM.aviumに対する感受性が一過性にやや高くなる傾向がみられた。抗NK1.1抗体をin vivo投与するとNK細胞集団は9割程度除去され、IFN-γ産生能も低下したが、対照群との間に感受性差が見られなかった。これらのことから、M.aviumに対する初期抵抗性におけるNK細胞の役割は低く、またNramp-1遺伝子による感染抵抗性はNK細胞を介して行われるわけではないと考えられた。
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