研究課題
基盤研究(C)
平成15年度は、市販鶏肉のカンピロバクターによる汚染状況を調査した結果、市販鶏肉の多くがカンピロバクターに汚染されており、汚染菌数は50CFU/gから0.01CFU/gの間と少裏であることが明らかになった。分離菌株の7薬剤に対する薬剤感受性試験をマイクロプレートを用いた微裏希釈法で実施したところ、鶏肉を汚染しているカンピロバクターに耐性株がかなりの頻度で含まれていることが判った。次に、菌株の遺伝子型別を試みて食鳥処理場における汚染追跡調査を行った結果、食鳥処理工程で、汚染鶏群の糞便から、他の鶏群の部分肉への汚染が起こっていることが示唆された。平成16年度は、カンピロバクターフリー鶏を通常のブロイラーと共に処理して菌汚染を追跡することにより、と体からと体へどのようにカンピロバクターが交差汚染するのかを調査したところ、初期の汚染拡大箇所は脱羽過程であることが示唆された。分離されたカンピロバクターの遺伝子型別を行ったところ、フリー鶏であっても、食鳥処理場においては農場の鶏と同じような割合で汚染され、また、一旦汚染されるとその菌に汚染されたまま処理過程を経ていくことが示唆された。平成17年度は、ブロイラー農場でみられた遺伝子型のカンピロバクターが食鳥処理過程でどのようにブロイラーと体や解体肉を汚染していくかを調べた。その結果、1つの農場では複数の異なる遺伝子型が共存しており、処理場内では交差汚染は起きているものの、その後の工程を通して手羽肉に残存する汚染菌株の主なものは同農場段階での保菌株であることが判明した。また、脱羽段階が処理解体において汚染を拡大する場所であると考えられた。以上の成績から、1鶏群の複数の遺伝子型のカンピロバクターが食鳥処理場内で他の鶏群を交差汚染し、脱羽段階が汚染を拡大する場所であると示唆された。
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