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2003 年度 実績報告書

鶏のSalmonella Enteritidis感染時にみられる鞭毛抗体非産生機序

研究課題

研究課題/領域番号 15580276
研究機関大阪府立大学

研究代表者

馬場 栄一郎  大阪府立大学, 農学生命科学研究科, 教授 (70081594)

研究分担者 谷 浩行  大阪府立大学, 農学生命科学研究科, 助手 (00305658)
笹井 和美  大阪府立大学, 農学生命科学研究科, 助教授 (70211935)
キーワードサルモネラ / Salmonella Enteritidis / 鞭毛 / 抗体調査 / 鶏 / 卵 / ワクチン / 食中毒
研究概要

いろいろなルートでSalmonella Enteritidis(SE)抗原と接触した鶏の生体内における菌体または鞭毛抗体の発現状態を比較することにより、自然界における鶏のSE感染スタイルを明らかにすることを目的として下記の実験を行った。
1.SE鞭毛から分離精製した特異的なポリペプチドを用いたELISA法を確立した。
2.2週齢鶏にSEを経口または噴霧投与後、10週目まで経時的に血清中の菌体特異抗体および鞭毛特異抗体をELISA法により測定し、また、糞便中のSEの有無を検査した。噴霧投与では両抗体価とも上昇し、糞便への菌排出も一部抑制されたのに対して、噴霧投与では実験期間を通じて両抗体価とも低く、継続的な糞便への菌排出が見られた。
3.240日齢産卵鶏にSEを経口投与後、血清および卵黄中の抗体価を同様にして測定し、また、クロアカ、卵殻、卵内容のSEを検査した。感染後10週目には、肝臓、脾臓、卵巣、卵管、卵管内形成卵のSEも調べた。2週齢鶏経口投与の場合と異なり、血清および卵黄どちらにおいても菌体抗体価のみ上昇し、鞭毛抗体価は実験期間を通じて低い値を示した。クロアカへの菌排出は実験終了まで継続して見られたが、卵殻からは感染後1週目に約半数から菌が検出されたのみで、卵内容および剖検時の内部臓器からは全く検出されなかった。
4.SE不活化ワクチンを皮下または筋肉内接種したSE感染歴のない鶏群から採卵し、卵黄中の抗体価を同様にして測定し、菌体抗体および鞭毛抗体をELISA法により測定した。全鶏群において両抗体価とも実験感染鶏に比べ高値を示し、実験感染鶏とは反対に鞭毛抗体価が菌体抗体価を上回っていた。
以上の結果から、SE鞭毛抗体は、腸管を経由しない生体内に抗原が導入された場合にのみ産生され、腸管を経由してSEに感染した場合には産生されにくいことが明らかとなった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Mizumoto, N., Baba, E., et al.: "Detection of specific antibodies against deflagellated Salmonella Enteritidis and S. Enteritidis FliC-specific 9 kDa polypeptide."Veterinary Microbiology. 99. 113-120 (2004)

  • [文献書誌] Toyota-Hanatani, Y., Baba, E., et al.: "Serological inductivity of 9 kDa region within main flagella polypeptide (FliC) of Salmonella enteritidis in the chicken vaccinated with SE bacterin."The Journal of Veterinary Medical Science. in press.

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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