研究課題/領域番号 |
15580285
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研究機関 | 帯広畜産大学 |
研究代表者 |
宇塚 雄次 帯広畜産大学, 畜産学部, 助教授 (30151913)
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研究分担者 |
田辺 茂之 帯広畜産大学, 畜産学部, 助手 (70292092)
小俣 吉隆 帯広畜産大学, 畜産学部, 助教授 (10132987)
更科 孝夫 帯広畜産大学, 畜産学部, 教授 (00154138)
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キーワード | 無症筋無力症 / 犬 / α-サブユニット / アセチルコリン受容体 / ELISA |
研究概要 |
後天性重症筋無力症(MG)は,神経筋接合部の筋肉側アセチルコリン受容体(AChR)に対する自己抗体により誘発される自己免疫疾患であり、ヒト、イヌ、ネコでの発症が知られている。 AChRは、5つのサブユニットからなり、なかでもa-サブユニットはMGとの深い関連が注目され、人では分子レベルでの発症機構の解明がすすんでいる。 本研究は、AChRa-サプユニット遺伝子の分子構造を解析することにより、診断用合成ペプチドを作製して、イヌのMG診断法の開発を目的とした。 三頭のイヌの骨格筋からmRAAを分離し、RT-PCR法を用いて遺伝子の増幅を行い、イヌAChRα-サブユニット遺伝子を分離してダイレクトシークエンス法によりその構造を解析した。その結果、イヌAChRα-サブユニット遺伝子は1373塩基対からなり、458残基のアミノ酸をコードしていた。イヌのAChRα-サブユユニット遺伝子は、ヒトのAChRα-サブユニット遣伝子とアミノ酸レベルで95.9%のホモロジーを示した。次に、塩基配列に基づき、イヌのAChRにおけるアセチルコリン結合部合成ペプチドを作製し、ウサギに免疫レて結合部への特異抗体を作製した。作製した抗体の特異性は、骨格筋から分離したAChRα-サブユニット蛋白および大腸菌にて発現させたAChRα-サブユニット蛋白に対する結合能をウエスタンブロット法にて解析した。また、骨格筋から分離したAChRα-サブユニット蛋白の精製度はa-ブンガロトキシンとの反応性で確認した。さらに、臨床診断への応用を目的に合成ペプチドを抗原としたELISA法を開発し、イヌ末梢血中のAChRα-サブユニットに対する自己抗体価の測定を行ったが、特異性の高い抗体は得られなかった。今後は、ペプチドの選択、ELISAでの発色法などを検討して、さらに検出感度の高いELISA法を確立していきたい。
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