研究課題/領域番号 |
15580286
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
西村 亮平 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (80172708)
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研究分担者 |
大野 耕一 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (90294660)
桑原 正貴 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (30205273)
佐々木 伸雄 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (60107414)
望月 学 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (90261958)
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キーワード | 犬 / 侵害刺激 / 痛み / コルチゾール / ACTH / 手術侵襲 / 血圧 / 心拍数 |
研究概要 |
本年度は、犬に痛みを引き起こすような侵害刺激を加えた場合の生体反応について、神経・内分泌系からの検討を行い、痛みの客観的評価基準となる可能性があるのか検討を行った。すなわち手術症例犬を対象に、神経系および内分泌系反応の中で、侵害刺激に反応して変化する可能性があり、かつ将来の臨床応用が可能と考えられる項目:心拍数、血圧、血漿ACTHおよび血漿コルチゾール値と手術操作および麻酔法との関係について調べた。その結果心拍数は、皮切時を除き大きな手術侵襲が加わっても変化しない例が多く、血圧も同様の傾向を示した。これに対してACTHとコルチゾールは、大部分の例で生体に加わる手術侵襲の大きさに関連した変動を示し、比較的良好な指標となりうると考えられた。この両者は、変化の傾向は同様であったが、ACTHの方が個体差が大きく、測定法もやや煩雑であり、コルチゾールの方が使いやすいと考えられた。次に種々の鎮痛法を術前・術中に加えることにより、コルチゾールの変動がどのような影響を受けるか検討した。その結果、より効果的な鎮痛が期待された例では、コルチゾール値の上昇が有意に抑えられた。このようにコルチゾールは、術中侵襲の1つの指標となりうる事が示され、これを用いることにより、より効果的な術中鎮痛法の確立が可能になると考えられた。さらに今回の検討は、動物愛護の問題から全身麻酔下で行ったが、麻酔下であっても末梢から視床レベルまでの反応は十分に維持されていると考えられ、今後侵害刺激を与えるモデルとして有用であることも確認できた。
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