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2004 年度 実績報告書

高齢伴侶動物に好発する致死性不整脈の発生要因に関する心臓病理学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 15580288
研究機関東京農工大学

研究代表者

町田 登  国立大学法人東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究部, 助教授 (20219364)

研究分担者 田中 稜  国立大学法人東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究部, 助教授 (70334480)
キーワード心臓病理 / 不整脈 / 刺激伝達系 / 心室性頻拍 / 第3度房室ブロック / 脚ブロック / 犬 / 猫
研究概要

平成16年度は、犬および猫の心室性頻拍症例3例ならびに各種心ブロックを示した犬4例について詳細な病理学的検索を実施した。心室性頻拍および突然死を示した犬および猫3例はいずれもX線/心エコー検査により肥大型心筋症(HCM)と診断されたものである。剖検では全例に左心室腔狭小化を伴う心室壁の肥厚がみられ、組織学的には心筋錯綜配列・叢状線維化に加えて広範な線維脂肪組織性心筋置換病変が観察された。本病変は、症例1では左右両心室壁および心室中隔の両心室面、症例2では右心室の後壁、症例3では左心室の側壁および後壁に主座していた。心筋錯綜配列・叢状線維化はHCMの特徴所見ではあるが、失神発作、心室性頻拍、突然死などの臨床所見と不整脈源性右室心筋症に特異的な線維脂肪組織性心筋置換病変が広範に観察されたことを勘案すると、今回の3例は不整脈源性心筋症に分類するのが適当であると考えられた。一方、心ブロック症例(第3度房室ブロック1例、左脚ブロック2例、右脚ブロック1例)では、全例の僧帽弁および三尖弁に粘液腫様変性ならびに線維/線維脂肪組織増生が中等度〜重度に観察された。同病変は弁尖にとどまらず求心性に進展して中心線維体(膜性中隔)にまで波及し、その下部を走行するヒス束貫通部を巻き込んでいた。加えて、心室中隔上部・左心面には硬化性変化が生じており、同部位に位置するヒス束分岐部〜左脚起始部を傷害していた。4例ともヒス束および脚に同質の器質的変化を有していながら、1例は第3度房室ブロックにまで進展し、残りの3例は脚ブロックにとどまっていたことから、脚ブロックが高度房室ブロックにまで進展するかどうかは、ヒス束貫通部の傷害程度の差によって規定されることが明らかになった。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] A histological study of the cardiac conduction system in a heifer with complete atrioventricular block2005

    • 著者名/発表者名
      N.Machida, S.Katsuda et al.
    • 雑誌名

      Journal of Comparative Pathology 132(In press)

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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