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2003 年度 実績報告書

犬および人の共通疾患であるホークト小柳原田(VKH)病の病態解明

研究課題

研究課題/領域番号 15580290
研究機関横浜市立大学

研究代表者

伊藤 典彦  横浜市立大学, 医学部, 助手 (80264654)

研究分担者 山木 邦比古  秋田大学, 医学部, 助教授 (20125751)
キーワード原田病 / メラノサイト / 自己免疫 / 秋田犬 / サル / ぶどう膜炎 / HLA-DR4 / モンゴロイド
研究概要

本年度は大別して1.自然発症イヌ原田病病理組織の解析、2.実験的イヌ原田病モデル作成、3.実験的サル原田病モデルの作成を行った。以下に得られた知見を報告する。
1.自然発症イヌぶどう膜・皮膚症候群病理組織の解析
過去に採取、固定、保管されていたぶとう膜・皮膚症候群自然発症秋田犬の眼球組織を入手、組織切片を作成、病理所見を得た。眼球としては汎ぶどう膜炎が見られた。眼底ではヒトで見られるところのダーレンフックス結節と同様な構造物が見られた。網膜には限局した網膜剥離が見られた。脈絡膜には色素性構造物に対するリンパ球浸潤が原因と考えられる炎症像が見られた。以上の所見から、秋田犬に好発するぶとう膜・皮膚症候群はヒトで見られる原田病と同一の疾患であると考えられた。
2.実験的イヌ原田病モデル作成
イヌを用いて山木らによって発見された、ヒト原田病原因抗原の一つであるTyrosinase related proteins 1で免疫を行った。免疫4週後,眼底に地図状病変が見られ、次第に消退した。14週後からノンタペタム領域に多数の脱色素領域が見られ、次第にその数の増加と拡大が見られた。病理組織学的検査で地図状眼底病変は漿液性網膜剥離と診断された。脈絡膜には炎症性の肥厚、脱色素、ダーレン・フックス結節類似病変が見られた。臨床所見でみられた耳の脱色素部分では腺組織および血管周囲に炎症細胞の浸潤が見られた。第三眼瞼の表皮と表皮下、皮膚の基底膜および血管周囲にも炎症細胞の浸潤が見られた
3.実験的サル原田病モデルの作成
カニクイザル2頭を用いて、イヌ同様の免疫を行った。免疫8週後に、2頭のうち1頭の両眼に以下の所見が観察された、角膜後面沈着物、前房内細胞、虹彩後癒着、硝子体混濁、視神経乳頭浮腫・充血、網膜血管蛇行。さらに、蛍光眼底造影では視神経乳頭部の過蛍光および周辺部脈絡膜の血管充填欠損が見られた。眼症状は免疫後10週目を極期とし、その後改善、14週目には前眼部と硝子体に症状を残すだけであった。

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公開日: 2005-04-17   更新日: 2016-04-21  

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