基質特異性が異なるミミズ由来セリンプロテアーゼのうち最もプロテアーゼ活性が高く安定であるisozyme AのcDNAについて、前駆体型領域(オープンリーデイングフレーム)と活性型領域をPCR法により増幅した。得られた792bpと774bpの遺伝子をそれぞれコムギ胚芽発現用ベクターに導入したプラスミドを構築し、コムギ胚芽無細胞発現システムを用いたタンパク質の発現を検討した。26℃、23時間反応した反応液をSDS-PAGEで分析した結果、前駆体型領域のプラスミドと活性型領域のプラスミドではそれぞれ約26kDaと約25kDaのタンパク質が合成されていることが明らかとなり、ミミズ由来セリンプロテアーゼ遺伝子が植物で発現することを確認した。そこで、isozyme A遺伝子を植物発現用プロモータCaMV35Sの下流に連結したプラスミドを構築し、アグロバクテリウムに導入後シロイヌナズナに感染させた結果、T1種子の取得に成功した。
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