フィブリンやカゼイン等の高分子タンパク質を加水分解するミミズ由来セリンプロテアーゼアイソザイムAのcDNAの活性型領域を植物発現用プロモーターCaMV35Sの下流に連結したプラスミドを構築しアグロバクテリウムを用いて形質転換して得たシロイヌナズナT1種子をカナマイシン含有MS培地で生育させた。生育する形質転換体は、1)正常な形態を示すもの、2)葉がブリーチングされるもの、3)葉の形態が異常になるもの、に分類できた。異なる形態を示す形質転換体の幼少葉から全RNAを抽出しRT-PCRを行った結果、2と3の形態を示す形質転換体でアイソザイムA由来遺伝子断片の増幅が起こり、ミミズ由来プロテアーゼ遺伝子が導入され発現していることが確認できた。2と3の形質転換体の生育を続けたところ、茎の伸長がおこらずT2種子の取得が不可能となった。以上の結果から、シロイヌナズナで発現したアイソザイムAが生育に悪影響を与えることが示唆された。そこで、ミミズ由来セリンプロテアーゼアイソザイムAのcDNAの前駆体型領域を植物発現用プロモーターCaMV35Sの下流に連結したプラスミドを構築し、アグロバクテリウムに導入後シロイヌナズナに感染させ、T1種子の取得に成功した。
|