研究課題/領域番号 |
15580303
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
環境農学
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研究機関 | 福山大学 |
研究代表者 |
松浦 史登 福山大学, 生命工学部, 教授 (10088445)
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研究分担者 |
太田 雅也 福山大学, 生命工学部, 助教授 (00203802)
池口 陽子 福山大学, 生命工学部, 助手
玉井 正弘 広島県西部工業技術センター, 主任研究員
田村 幸吉 丸善製薬株式会社, 研究開発本部, グループリーダー
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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キーワード | 油資化性酵母 / Psudzyma / MEL / MML / バイオサーファクタント / β-酸化 |
研究概要 |
大豆油を炭素源として糖脂質バイオサーファクタント(BS)を生産する105種の酵母菌を天然から得た。これらは、生産する糖脂質BSのタイプにより6つに分類でき、このうち43種はマンノシルエリスリトールリピッド(MEL)以外に2つの新規糖脂質を生産していた。これらの新規糖脂質をPsuezyma aphidisと同定したTM-606株の培養液中から単離し、その構造が4,6-ジ-0-アセチル-2,3-ジ-0-アルカノイル-β-D-マンノピラノシル1-6-meso-マンニトールと4-モノ-0-アセチル-2,3-ジ-0-アルカノイル-β-D-マンノピラノシル1-6-meso-マンニトールであると決定した。これらの糖脂質をマンノシルマンニトールリピッド(MML)と命名した。このMMLは、低濃度(1.3-2.8x10^<-5>M)において高い表面張力低下能(32-34dyn/cm)を示した。さらにこのMML含有糖脂質画分は、細菌生育の阻害活性、血小板凝集抑制作用、メラニン生産促進作用、骨芽細胞の石灰化促進作用などの生物活性を有していることが示された。また、幾つかの酵母が、MELおよびMMLのエリスリトールあるいはマンニトール残基の1位に炭素数18の長鎖脂肪酸を結合した新規糖脂質を生産している事を見いだした。 中圧液体クロマトグラフィーを用いるMELおよびMML混合物の簡便な分離法、およびそれぞれの糖脂質をODS-HPLCにょり分子種レベルで分離する方法を開発した。これらの分子種を用いた解析により、糖脂質の界面活性能が、糖脂質の脂肪酸の鎖長および不飽和度に大きく影響されることを明らかにした。 MEL生産性の高い菌株の検索および使用する炭素源による生産性の違いについて検討した結果、Pseudozyma tsukubaensisと同定したTM-181株を炭素源にアマニ油を用いて培養したときに非常に高い生産性が得られることを見いだした。さらに、培地組成や培養方法を検討し、最大41.3g/L/dayのMEL生産を可能にした。 MELおよびMML糖脂質の脂肪酸は、炭素源として用いた植物油の脂肪酸のβ-酸化中間体であること見いだした。
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