研究概要 |
1)糖などのヘミアセタールから多酸素官能基化された環状ニトロンの一般合成法を開発した.この反応の応用例として,L-xyloseより得られるニトロンを用いてアザ糖類であるcodonopsinine, hyacinthacine A_1,及びhyacinthacine A_2の合成を行った. 2)光学活性な環状ニトロンのアリルアルコール類との環化付加反応やα-置換アクリル酸誘導体との環化付加反応を用いて,4-ヒドロキシ-4-置換グルタミン酸類の立体選択的な一般合成法を開発した.この反応の応用例として天然甘味物質monatinやlycoperdic acidの新規合成法を明らかにした. 3)窒素上に糖由来の不斉補助基を有するニトロンの分子内環化付加反応を用いてイソロイシン由来の側鎖を有するピロールアルカロイドfunebrineおよびfunebralの光学活性体の最初の全合成を行った. 4)ニトロンの分子間反応における重複不斉誘導を用いて,人におけるnicotineの代謝産物である(3'R,5'S)-3'-hydroxycotinineの合成を行った. 5)Diels-Alder反応やニトロンの環化付加反応に代表されるペリ環状反応の複素環合成への応用例を総説にまとめた.
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