研究概要 |
不飽和系化合物を用いた金属触媒による不斉合成について、次のような研究成果を得ている。 1.1,7-Diene化合物の金属触媒による環化付加反応 種々の官能基を有する1,7-diene類にLewis酸金属、或いはlanthanide系金属を作用すると環化付加反応をおこすが、そのときの反応の周辺選択性を明らかにした。 2.Allene-ene系化合物の金属触媒反応 Allene-ene系化合物の金属触媒反応を検討し、その反応性を明らかにした。 Sulfonylallene-ene系化合物はTiCl_4の作用により環化付加反応をおこすが、その選択性が反応基質の構造の差により、分子内[2+2]環化付加反応および分子内ene反応の選択性に違いが生じる。さらに、キラルalleneを用いて反応を行い、反応の立体特異性を明らかにした。 3.Allenylcyclopropane化合物の遷移金属触媒反応 環上に2つのester基を有するallenylcyclopropane化合物を、Stryker試薬を用いて初めて合成することに成功し、その遷移金属触媒による1,3-転位を明らかにした。 4.Cyclopropene化合物のパラジウム触媒反応 種々のcyclopropene化合物をロジウム触媒下で合成した。これにパラジウム触媒を作用すると分子内環化異性化反応おこし、furan誘導体を生成することを初めて見出した。
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