研究概要 |
本年度はこれまで確立してきた標題化合物のABC環構築法を基盤とし、かつE環を構築のために出発原料シクロヘキセノン誘導体6位に相当する部位へのオキソ官能基導入について検討した。シクロヘキセノンより8工程で導いた3-(benzyloxy)-2-[(benzyloxy)methyl]-2-(3-oxocyclohexyl)propanenitrileをシリルエノールエーテルへ導き、N-メチルモルホリンオキシド共存下四酸化オスミウムを用いるRubottom酸化類似条件で処理すると、立体選択的に酸化反応が進行し6S^*配置を有するアルコール体が主成績体として得られた。さらに本アルコールより4工程を経て調製された2-(2-{[3-(benzyloxy)-2-[(benzyloxy)methyl]-2-(10-{[tert-butyl(dimethyl)silyl]oxy}-1,4-dioxaspiro[4.5]dec-7-yl)amino]methyl}phenolを酸触媒存在下脱水すると環化が進行して4環性N, O-アセタールが単一の成績体として生成することが判明した。次いでAlH_3を用いて橋頭位N, O-アセタールを還元して(1S^*,5S^*,8S^*)-4,4-bis-[(benzyloxy)methyl])-2-azabicyclo[3.3.1]nonan-8-olを調製することに成功し、本化合物を用いるE環構築に向けた合成経路が確立された。
|