研究課題
基盤研究(C)
(1)食欲抑制剤フェンフルラミン(Fen)とその代謝物のノルフェンフルラミン(Norf)およびフェンテルミン(Phen)の実用的なHPLC-蛍光定量法を開発した。各化合物の検出下限は、S/N=3の場合、注入量(20μL)当たり、23fmol以下であった。Phenの単独投与に比べ、Fenを併用した場合には、脳中のPhen濃度が増加し、AUCで3.4倍となった。血液では2.2-2.6倍の増加であった。一方、Fen濃度にPhenの投与は影響を与えなかった。(2)肥満治療薬のマジンドールおよびその代謝物、2-(2-アミノエチル)-3-(p-クロロフェニル)-3-ヒドロキシフタルイミジン(Met)のHPLC-FL定量法を開発し、マウスの脳および血漿中濃度の分析に適用した。また、ラット体毛中のFenおよびNorfの定量を検討し、超高感度なHPLC-FL法を開発し、N-Fe投与後のラット体毛中のFenおよびNorfを検出・定量することができた。(3)痩身用健康食品を摂取し、肝機能障害を受けた患者の毛髪試料を分析した結果、FenおよびNorfが検出された。本法の感度はFenが36pg/mg、Norfが16pg/mg(S/N=3)であった。また、セグメント分析の結果、患者は長期間に亘ってN-Fenを摂取していたことを証明できた。(4)食欲抑制作用があり、鼻炎薬として使用されていたフェニルプロパノールアミン(PPA)は、副作用として脳血管障害が見つかり、使用禁止となっている。本研究では、副作用のメカニズム等を詳細1に検討するため、PPAの高感度定量法を開発した。脳においては単独投与に比べ併用時にはPPAの速論的パラメータに大きく影響し、AUCでカフェインの場合1.6倍、クロルフェニラミンでは1.5倍の増加が見られた。3者を併用した場合は、1.9倍の増加であった。一方、血液では有意な相違は見られなかった。
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