研究概要 |
私たちはこれまでに28種類のポリアミンと左巻きZ-DNAとの複合体の結晶化に成功し、非常に高分解能のデータを得ている.それらのデータと計算機科学的データ及び物理化学的データから私たちは左巻きDNAの安定化に関わる因子を発見し様々な左巻きDNAの結晶化に成功してきた.私たちが結晶化できたのはモノアミンではmethyl amineとd(CGCGCG)の複合体(4℃、10℃、20℃)、ethylamineとd(CGCGCG)の複合体(4℃、10℃、20℃)、ジアミンではカダベリンとd(CGCGCG)の複合体(4℃、10℃、20℃)、プトレッシンとd(CGCGCG)の複合体(4℃、10℃、20℃)、トリアミンではスペルミジンとd(CGCGCG)の複合体(10℃)、PA(24) N^1-(2-Amino-ethyl)-butane-1,4-diamineとd(CGCGCG)の複合体(10℃)、テトラアミンではサーミンd(CGCGCG)の複合体(4℃、10℃、20℃)、PA(222) N^1-[2-(2-Amino-ethylamino)-ethyl]-ethane-1,2-diamineとd(CGCGCG)の複合体(4℃、10℃、20℃)、ペンタアミンではPA(2222) N^1-{2-[2-(2-Amino-ethylamino)-ethylamino]-ethyl}-ethane-1,2-diamineとd(CGCGCG)の複合体(4℃、10℃、20℃)、モノアミンとジアミンの結晶構造解析からDNAは左巻きでアミンより金属のほうが優先的にDNAに結合することがわかった。DNAに結合するアミンは1個である。トリアミンの場合も同じような現象が見られDNAは左巻きで金属が優先的に結合する。この場合もアミンは1個DNAに結合しモノアミン、ジアミン、トリアミンともDNAには1価、2価、3価のプラス電荷で結合して残りのDNAのリン酸基の負電荷を金属イオンが中和していた。テトラアミンのPA(333)とペンタアミンのPA(2222)とd(CGCGCG)結晶を解析した結果、セル、空間群、晶系ともにほとんど同じでOrthorhombic,空間群P212121,低温a=17.878Å,b=30.838,c=43.885 室温a=18.01,b=31.20,c=44.72だった。セルを見ても分かるように温度の高い室温ではエントロピーが増大し明らかに3軸ともに低温より長くなっていることが分かる。C軸が1Å近くも違うことから、DNAも室温のほうが螺旋軸に沿って長くなっていることが分かる。低温ではZ-DNAのマイナーグルーブにポリアミンがU字形で1本入りその上にも1本がおおいかぶるように入っていたのに対して、室温では2本のポリアミンが繋がるようにマイナーグルーブに入り込みあたかも三重螺旋のようになってポリアミンがナノワイアー構造を作り上げていることが分かる。
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