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2003 年度 実績報告書

遺伝情報維持機構へのRecQファミリーの寄与に関する無細胞実験系を用いた解析

研究課題

研究課題/領域番号 15590054
研究機関東北大学

研究代表者

多田 周右  東北大学, 大学院・薬学研究科, 助手 (00216970)

キーワードRecQヘリカーゼ / Bloom症候群 / Werner症候群 / Rothmund-Thomson症候群 / DNA Topoisomerase IIIα
研究概要

DNA二本鎖切断を始めとするDNA傷害に対する修復過程において、一群のRecQヘリカーゼおよびその関連タンパク質群の挙動と機能をXenopus卵抽出液無細胞実験系を用いて解析することを目的とした。この研究課題の手がかりとして、Bloom症候群原因遺伝子産物Blm、Werner症候群原因遺伝子産物Wrn、Rothmund-Thomson症候群原因遺伝子産物RecQL4の三つのRecQヘリカーゼについてXenopusにおける相同タンパク質の抗体を作成した。この抗体を用いて解析したところ、Blmは正常なDNA複製の進行に応じてクロマチン上に結合したが、DNA複製停止やDNA二本鎖切断などの異常に応じた挙動の変化は見られなかった。また、Blmと相互作用することが知られるTop3αについてもXenopusにおける相同タンパク質を検索し抗体を作成したが、Blmと同様の挙動を示した。そこで、BlmあるいはTop3αについて免疫除去をおこないDNA複製の進行を観察したが、これらのタンパク質の欠損あるいは極度の減少によるDNA複製への影響は観察できなかった。
一方、WrnおよびRecQL4についてはDNA複製の停止およびDNA二本鎖切断の生成に応じてクロマチン上に結合することが示された。Wrn、RecQL4で見られるDNA複製異常に応じたクロマチン結合はカフェインの添加により増強されることより、これらの結合がチェックポイント機構により負の制御を受けているものと考えられた。DNA二本鎖切断に応じたWrn、RecQL4のクロマチン結合についてはRPAの存在に強く依存していた。さらに、このDNA二本鎖切断に応じたWrn、RecQL4の結合とrad51のクロマチン結合との間に明らかな相互依存性は認められなかったが、RecQL4とrad51のクロマチン結合に相互の促進作用が存在することが示唆された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Wang W, Seki M, Otsuki M, Tada S, Takao N, Yamamoto K, Hayashi M, Honma M, Enomoto T: "Functional relation among RecQ family helicases RecQL1, RecQL5, and BLM in cell growth and sister chromatid exchange formation"Biochimica et Biophysica Acta. 1688. 137-144 (2004)

  • [文献書誌] Wang W, Seki M, Narita Y, Nakagawa T, Yoshimura A, Otsuki M, Kawabe Y, Tada S, Yagi H, Ishii Y, Enomoto T: "The absence of a functional relationship between ATM and BLM, the components of BASC, in DT40 cells"Molecular and Cellular Biology. 23. 3527-3535 (2003)

  • [文献書誌] 多田周右, 榎本武美: "Bloom症候群原因遺伝子産物の機能"医学のあゆみ. 208. 863-869 (2004)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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