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2003 年度 実績報告書

サルモネラのTypeIII病原蛋白分泌システムの機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 15590055
研究機関千葉大学

研究代表者

友安 俊文  千葉大学, 大学院・薬学研究院, 助教授 (20323404)

研究分担者 高屋 明子  千葉大学, 大学院・薬学研究院, 助手 (80334217)
山本 友子  千葉大学, 大学院・薬学研究院, 教授 (60110342)
キーワードサルモネラ属細菌 / TypeIII分泌装置 / AAA^+プロテアーゼ / シャペロン / Lon / ClpXP / DnaK / 病原因子
研究概要

病原細菌が宿主に感染するさいに、ストレス蛋白と総称されるAAA^+プロテアーゼ(lon,clpXP,clpAP,hslVU)や分子シャペロン(dnaK,groEL)などが、宿主の防御機構に起因するストレスで誘導される。そこで、我々はストレス蛋白と病原性に注目して研究を進め、サルモネラ属細菌のプロテアーゼ(lon,clpXP)や分子シャペロン(dnaK)破壊株においてSPI1病原因子や鞭毛などTypeIII輸送装置を用いて細胞外に分泌される蛋白群の分泌量の変化を確認した。dnaKシャペロン破壊株においては、SPI1病原因子や鞭毛の分泌量が著しく減少することを発見した。そこで、dnaK破壊株の病原性について検討した。なお、dnaK破壊株は温度感受性の表現型を示し、37℃以上では著しい増殖阻害が観察される。そこで、上記温度で増殖可能なサプレッサー変異株を分離してマウスや培養細胞を用いた研究をおこない、dnaK破壊株では著しい病原性の低下が起こる事を確認した。またlonプロテアーゼ破壊株では、SPI1病原因子が過剰に分泌されることを発見した。そこで、その原因を調べる目的でβ-ガラクトシダーゼをレポーター遺伝子としながら、Lonのターゲット蛋白の同定を試みた。その結果、SPI1遺伝子群の転写活性化因子HiID, HiIC蛋白がターゲットである可能性が高いことを発見した。そこで抗HiID, HiICの抗体を作成し、細胞内存在量を定量した結果、lon破壊株において安定化が起こりHiID, HiICが蓄積していることを確認した。またSPI1病原甲子は、感染初期にマクロファージにアポトーシスを引き起こす特性があることが知られているが、lon破壊株では野生株と比較してSPI1病原因子の過剰分泌によるアポトーシスの過剰誘導が起こっていることを確認した。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Takaya A: "The Dnak/DnaJ Chaperone Machinery of Salmonella enterica Serovar Thyphimurium Is Essential for Invasion of Epitherial Cells and Survival within Macrophages, Leading to Systemic infection"Infect.Immun.. 72. 1364-1373 (2004)

  • [文献書誌] Tomoyasu T: "A new heat-shock gene agsA, which encodes a small chaperone involved in suppressing protein aggregation in Salmonella entrica serovar Typhimurium."J.Bacteriol.. 185. 6331-6339 (2003)

  • [文献書誌] Tomoyasu T: "Turnover of FlhD and FIhC, master regulator proteins for Salmonella flagellum biogenesis, by the ATP-dependent ClpXP protease."Mol.Microbiol.. 48. 443-452 (2003)

  • [文献書誌] Takaya A: "Lon, a stress-induced ATP-dependent protease is critically important for the systemic Salmonella infection of mice."Infect.Immun.. 71. 690-696 (2003)

  • [文献書誌] Matsui H: "Oral immunization with ATP-dependent protease-deficient mutants protects mice against subsequent oral challenge with virulent Salmonella enterica serovar Typhimurium."Infect.Immun.. 71. 30-39 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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