研究分担者 |
長岡 正男 東北薬科大学, 薬学部, 助教授 (00104084)
亘理 陽子 東北薬科大学, 薬学部, 助手
伴田 和香子 東北薬科大学, 薬学部, 助手
高橋 円香 東北薬科大学, 薬学部, 助手
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研究概要 |
いまだ不明な点のあるアロマターゼ反応メカニズムの解明を目的として、アロマターゼ活性中心部位での阻害剤・基質との結合にみられる多様性をふまえ、阻害剤を有効にプローブとして用い、以下の成果を得た。 1.天然基質ADならびにDHEAの3-デオキシ体1と2について、それぞれの19-oxo体5と6の立体選択的NaB^2H_4またはNaB^3H_4還元により[19,19-^2H_2]19-hydroxy体3と4または[19R-^3H]19-ols3と4とその異性体[19S-^3H]体を合成した。 2.[19,19-^2H_2]-19-Hydroxy体3と4をヒト胎盤ミクロゾームとともにNADPH存在下インキュベート。19-oxo体5と6への変換をGC-MSにて分析した。このとき、非標識基質3と4からの5と6への変換と比較し、19-hydroxy体→19-oxo体への変換にアイソトープ効果の全くないことをまず明らかにした。 3.ついで、[19R-^3H]-と[19S-^3H]19-ols3と4を前述同様インキュベートし、アロマターゼ反応により遊離する^3H_2Oと^3HCOOHを測定した。その結果、19-hydroxy体→19-oxo体への変換では、より有効な基質である19-hydroxy-3-deoxyDHEA(4)で19-hydroxyADの場合と同じに19-pro-R水素が立体選択的に、一方、より強力な阻害剤19-hydroxy-3-deoxyAD(3)では、pro-R:pro-S=75:25の選択性で脱離することが証明された。また、C(10)-C(19)結合の切断反応も同定された。 4.一方、化合物1と2の4位置換体によるアロマターゼ阻害の様相を明らかにするとともに、2α-置換ADや2,4,や6-置換エストロゲンのアロマターゼ阻害の構造活性相関を明らかにし、新たなアロマターゼ活性中心部位空間構造を構築することができた。
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