研究課題/領域番号 |
15590085
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | 徳島文理大学 |
研究代表者 |
藤木 博太 徳島文理大学, 薬学部, 教授 (60124426)
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研究分担者 |
葛原 隆 徳島文理大学, 薬学部, 助教授 (00260513)
末永 みどり 徳島文理大学, 薬学部, 助手 (00389181)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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キーワード | EGCG / アポトーシス / Sulindac / GADD153 / p21WAF1 / Gefitinib / EGFR / Alkyl gallete |
研究概要 |
1.EGCGとレチノイド併用に関する研究 緑茶を飲用する日本人にもレチノイドは投与されているから、EGCGとの併用は相乗効果を誘導するか検討した。 GADD153遺伝子発現の亢進 EGCG+ATRA 5.0倍 EGCG+9-cis-RA 4.9倍 EGCG+4HPR 亢進は認められず EGCGはレチノイドとの併用により相乗効果を誘導した。 2.EGCGと肺がん治療薬gefitinib(イレッサ)との併用に関する研究 イレッサの治療効果を日本人と西欧人について比較すると、日本人の治療効果は西欧人の3倍良好であるとアメリカNCIの研究者が発表した。 緑茶カテキンは、イレッサと同様EGFRのチロシンリン酸化を阻害するので、良好な治療効果は日本人が飲用する緑茶カテキンの相乗効果であると考え、検討した。 (1)肺がん細胞増殖抑制:ヒト肺がん細胞株PC-9、A431とA549細胞のいずれでも、EGCG+イレッサの併用は細胞の増殖を強く抑制した。 (2)EGFRとチロシンリン酸化阻害:EGCG+イレッサ併用は両単独群より強く阻害した。 (3)アポトーシスの誘導: EGCG+イレッサ併用は両単独群より強くアポトーシスの誘導を促進した。 以上の結果から、緑茶の飲料がイレッサによる日本人のがん治療効果を増強している可能性が示唆された。しかも、緑茶飲料によりイレッサ投与量の減量が示唆された。 3.アルキルガレートの発見 EGCGとsulindac、celecoxib、ATRA、9-cis-RA、の併用は著しくGADD153遺伝子発現を誘導した。GADD153はアポトーシス関連遺伝子であるから、特異的なアポトーシスの誘導は"新たながん治療機構"になると考えられる。 ここで、GADD153遺伝子発現を特異的に誘導する化合物を検索した。既に記したように、EGCG+sulindacはGADD153の遺伝子発現を11.61倍誘導したが、アルキルガレートは単独で13倍強く発現を亢進し、WAF1の発現も24倍強く誘導した。この結果からアルキルガレートは新しいがん治療薬の可能性が示された。 今後、アルキルガレートを新しい抗がん剤とする研究が始まる。
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