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2003 年度 実績報告書

DNA特異的ADPリボシル化酵素ピエリシン-1のin vivo抗腫瘍活性

研究課題

研究課題/領域番号 15590094
研究機関国立がんセンター研究所

研究代表者

渡辺 雅彦  国立がんセンター, 研究所・がん予防基礎研究プロジェクト, 室長 (00182949)

研究分担者 若林 敬二  国立がんセンター, 研究所・がん予防基礎研究プロジェクト, リーダー (60158582)
キーワードモンシロチョウ / ピエリシン / ADPリボシル化 / in vivo抗腫瘍活性 / 急性毒性 / HeLa細胞
研究概要

モンシロチョウに存在する分子量98,000の蛋白質、ピエリシン-1、は種々のがん細胞に対してアポトーシスを誘導し、細胞傷害活性を示す。中でもヒト子宮頸部がんHeLa細胞は、50%増殖阻害濃度が0.043ng/mlと、最も高い感受性を示した。そこで、in vivoにおけるピエリシン-1の抗腫瘍活性を調べる目的で、ピエリシン-1の実験動物に対する毒性の解析を行った後、移植がん細胞に対するピエリシン-1の抗腫瘍効果を調べた。ピエリシン-1を単回腹腔内投与した場合のBALB/cマウスに対するLD_<50>値は約5μg/kg body weightであった。静脈内投与した場合も同様であった。皮下投与の場合の毒性は腹腔内の約1/50であった。続いて抗腫瘍効果を調べるため1x10^7個のHeLa細胞を6週齢BALB/c雌ヌードマウスの腹腔内に移植した。翌日、3μg/kg body weightのピエリシン-1を単回、腹腔内投与した。腫瘍移植後80日目にマウスを屠殺し、腫瘍を採取し、その重量を計測した。その結果、ピエリシン-1非投与群では全例(10/10)に腫瘍が確認され、その平均重量は1.16gであった。一方、ピエリシン-1投与群では10例中3例に肉眼上腫瘍を認めなかった。また、1例では腹膜に2mmの小結節を認めたのみであった。ピエリシン-1投与群の平均腫瘍重量は0.56gであり、有意に低下していた。以上より、ピエリシン-1はHeLa細胞に対し、in vivoで抗腫瘍活性を示すことが分かった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Matsushima-Hibiya, Y.: "Identification of glycosphingolipid receptors for pierisin-1, a guanine-specific ADP-ribosylating toxin from the cabbage butterfly"J.Biol.Chem.. 278. 9972-9978 (2003)

  • [文献書誌] Totsuka, Y.: "Analysis of HPRT and supF mutations caused by pierisin-1, a guanine specific ADP-ribosylating toxin derived from the cabbage butterfly"Chem.Res.Toxicol.. 16. 945-952 (2003)

  • [文献書誌] Watanabe, M.: "Enzymatic properties of pierisin-1 and its N-terminal domain, a guanine-specific ADP-ribosyltransferase from the cabbage butterfly"J.Biochem.. (in press).

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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