研究課題
本研究では、申請者が従来から確立してきた、受容体の細胞内局在の解析、シグナル伝達の解析、遺伝子発現プロファイル解析の三つの技術を組み合わせ、オーファン受容体について、リガンド・機能探索を行う実験系を確立し、生理的な機能を明らかにすることを目的としている。今年度は、昨年度確立した方法に基づき、複数の受容体についてはリガンド探索を行った。さらにリガンドを見いだした受容体についてその生理機能を明らかにした。1.「GPR120のリガンド探索」受容体細胞内局在変化を可視化・定量化する事によるリガンド探索系を用いて、新規のオーファン受容体であるGPR120のリガンド探索を行った。その結果GPR120は長鎖不飽和脂肪酸を主にリガンドとしていることが明らかになった。2.「GPR120の機能解析」さらにGPR120の機能解析を昨年度確立した発現プロファイル情報などを元に行った。その結果、この受容体が腸管に特異的に発現していることを見いだした。3.「GPR120発現細胞を用いた解析」GPR120の発現する細胞を検索したところ、腸内分泌細胞であるSTC-1細胞を見出した。この細胞を用いて、様々な機能解析を行った結果、脂肪酸によるGPR120刺激によりGLP-1を分泌することが明らかになった。このGPR120でのリガンド探索と生理機能の解明の成功は、本研究課題の目標としていた新規の受容体解析システムが実際に機能することを実証するものであり、汎用性の高いオーファン受容体のリガンド探索系の確立に成功したといえる。
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