研究課題/領域番号 |
15590097
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
岩島 誠 富山大学, 薬学部, 助教授 (20266901)
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研究分担者 |
林 京子 富山大学, 医学部, 助手 (60110623)
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キーワード | プラストキノン / 抗ウイルス活性 / クロメン誘導体 / 褐藻トゲモク / Sargassum micracanthum / 海洋天然物 / 抗酸化活性 / 構造活性相関 |
研究概要 |
抗ウイルス活性化合物1は、クロメン構造を有するトコフェロール関連物質であり、富山湾沿岸で採取される褐藻トゲモクから単離したプラストキノン誘導体を化学変換することによって得られる。 交付申請書に記載した研究実施計画に基づいて、進めた研究の結果について以下に述べる。 1.化合物1と類似構造を持つリモデリング化合物を新たに5種合成した。昨年合成した7種と合わせた12検体についてHSV・インフルエンザ等に対する抗ウイルス活性を評価したところ、うち4検体は化合物1と同等の活性を持つことが分かった。残りの8検体については1ほどの活性を示さなかった。また、構造活性相関に関する計算を行ったところ、側鎖よりもクロメン構造が活性発現に重要であり、特にHIVに対しては、逆転写酵素やケモカイン受容体(CCR5)に対する阻害活性を持つことが示唆された。水溶性ポリマー支持誘導体への展開についても種々検討したが、1を越える抗ウイルス活性を示すポリマーの調製には至っていない。今後も引き続き検討する予定である。 2.富山湾産の褐藻トゲモクのメタノールエキスから、4つの新規化合物を単離し、化学構造を決定した。これらは培養ガン細胞に対する毒性を示したほか、ビタミンCおよびEよりも強い抗酸化活性を示すことがわかった。残念ながら抗ウイルス活性は弱く、ほとんど示さないものもあった。また、トゲモクに近縁の褐藻から単離した抗ウイルス活性化合物は、カロテノイドの一種フコキサンチンであることがわかった。化学変換で得られる誘導体の細胞毒性も依然として強いため、検討を続けている。 3.臨床利用されている薬剤とのハイブリッド化合物の調製は、糖タンパク質と相互作用する薬剤等が有効と考えられたので、放線菌由来のフラン型化合物について、ペプチドペーサーを介して結合させたものを3種調製した。In vitroの活性試験の結果、いずれの化合物も活性増強までは至らなかったが、抗ウイルス活性は保持していることから、今後も別の薬剤とのハイブリッド化合物の調製を検討予定である。
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