• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2003 年度 実績報告書

ヒト特異的細胞溶解毒素インターメディリシンの結晶構造と機能の解析

研究課題

研究課題/領域番号 15590098
研究機関名古屋大学

研究代表者

大倉 一人  名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 助手 (00242850)

研究分担者 津下 英明  徳島文理大学, 健康科学研究所, 教授 (40299342)
堀 均  徳島大学, 工学部, 教授 (90119008)
キーワード感染症 / 細胞溶解毒素
研究概要

これまでに、パーフリンゴリシンO(PFO)のX線結晶解析データを基にして、ヒト特異的細胞溶解毒素インターメディリシン(ILY)および主なコレステロール依存性細胞溶解毒素群(CDCs:PFO、ストレプトリシンO(SLO)、リステリオリシンO(LLO)、ニューモリシン(PLY)、スイリシン(SLY)、アルベオリシン(ALV))の分子モデリングを完了した。細胞膜結合領域であるドメイン4の3次元構造を各モデル間で比較すると、ILYは従来型のCDCsで保存されている11mer領域とは異なる構造を取っていることが確認された。この11mer領域はCDCsがコレステロールと結合する際に起点の一つとなる部位であると考えられていることから、ILYのコレステロルに対する結合・親和性はCDCsとは異なることが予測された。このことはILYおよびその11mer領域変異体のコレステロールに対する結合実験からも明らかとなった。また、ILYをグルタチオンSトランスフェラーゼとの融合体として発現させたタンパク質を抗原として、実験動物へ反復接種しても抗体価が非常に上昇し難く、中和抗体が産生され難いことを確認した。このことは、ILY分子は免疫療法などへの応用に適した特性を有していることを示唆している。さらに、ILY分子精製標品の結晶化スクリーニングを試みたところ、非常に再現性良く結晶化する条件を確立した。生じた結晶が実験系に含まれる緩衝液や塩類に由来するものでないことを実際にX線を照射して回折像を得ることで確認した。タンパク質の結晶化には高純度の標品が得られるか否かということが一つの重要な要因であることから、ILYはタンパク質標品としての取り扱いも容易であると言える。
現在、これらの構造的特性、機能的特性を基にILY分子の構造、特に細胞認識に関わる構造、の解析を進めるとともに、ヒト細胞に対して特異的な結合能を有するILYドメイン4(ILY4D)の特性を生かしたガン免疫療法への応用を目指したターゲッティングモジュールの作成を進めている。これまでに、モデル系としで抗CEA抗体とILY4D連結体を用い、赤血球をCEA陽性のヒト甲状腺髄様癌細胞TT株へターゲティングすることに成功した。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Ohkura, K.: "Structural Analysis of Human Specific Cytolysin Intermedilysin aiming Application to Cancer Immunotherapy"Anticancer Research. (in press).

  • [文献書誌] Nagamune, H.: "A Cell Modification Technique using Domain4 of Intermedilysin for Immunotherapy against Cancer"Anticancer Research. (in press).

  • [文献書誌] Hori, H.: "Design of hypoxia-targeting protein tyrosine kinase inhibitor using an innovative pharmacophore 2-methylene-4-cyclopentene-1,3-dione"Biochimica et Biophysica Acta. 1697. 29-38 (2004)

  • [文献書誌] Ohkura, K.: "Analysis of Structural Features of Bis-Quaternary Ammonium Antimicrobial Agents 4,4'-α,ω-Polymethylenedithio)bis(1-alkylpyridinium lodide)s Using computational Simulation"Bioorganic & Medicinal Chemistry. 11. 5035-5043 (2003)

URL: 

公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi