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2005 年度 実績報告書

ヒト特異的細胞溶解毒素インターメディリシンの結晶構造と機能の解析

研究課題

研究課題/領域番号 15590098
研究機関名古屋大学

研究代表者

大倉 一人  名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 助手 (00242850)

研究分担者 堀 均  徳島大学, 工学部, 教授 (90119008)
津下 英明  徳島文理大学, 健康科学研究所, 教授 (40299342)
キーワード感染症 / 細胞溶解毒素
研究概要

インターメディリシン(ILY)は、Streptococcus intermediusが分泌する細胞溶解毒素である。その作用は霊長類でのみ認められ、ヒト細胞は他の霊長類細胞より2桁も感受性が高い。ILYは深部臓器感染や難治性歯周病の病原因子として注目を集めている。また、ILYとコレステロール依存性細胞溶解毒素(CDC)は高い相同性を持つが、CDCでは、その毒素活性や標的細胞膜のレセプター分子(コレステロール)への結合に必須な高度に保存された11merシステインモチーフ領域に、ILYでは3ヶ所もの置換が認められた。この構造の違いはILYとCDCの細胞膜への結合様式が異なる可能性を示唆したが、実際ILYはコレステロールをレセプターとしないで細胞膜に強く結合することが実験的に確められた。これらの知見を基に、ILYの細胞膜結合領域(domain4)を用いた臨床応用モジュールの構築を行ってきた。
本研究課題では、ILYが膜と相互作用する際の動的構造変化(MD)を経時的にシミュレーションし、分子全体が運動する際の膜結合領域の挙動を分子軌道(MO)計算などで解析した。11mer領域は野生型ILYと野生型ストレプトリシンO(SLO)では異なる性質を示すことが、双極子モーメントや立体疎水性パラメータ(dGW)から明らかとなった。ILYの11mer領域にSLOタイプのアミノ酸変異を導入していくに従って、ヒト赤血球に対する溶血活性に変化が生じSLOに近い性質を示すことがうかがえた。静電ポテンシャル解析から、ILYとSLOの分子全体のフィールド分布に相違をみとめ、特に膜結合ドメイン(domain4)近傍に大きな相違があり、ILYのヒト特異性を規定する領域はdomain4であると考えられた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] Intermedilysin is Essential for the Invasion of Hepatoma HepG2 cells by Streptococcus intermedius2005

    • 著者名/発表者名
      Akiko Sukeno
    • 雑誌名

      Microbiology and Immunology 49・7

      ページ: 681-694

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] Bridge-linked Bis-quaternary Ammonium Antimicrobial Agents : Relationship between Cytotoxicity and Antibacterial Activity of 5,5'-[2,2'-(tetramethylenedicarbonyldioxy) diethyl]bis(3-alkyl-4-methylthiazonium iodide)s2005

    • 著者名/発表者名
      Kazuto Ohkura
    • 雑誌名

      Bioorganic and Medicinal Chemistry 13・7

      ページ: 2579-2587

  • [雑誌論文] Molecular Basis of Group A Streptococcal Pyrogenic Exotoxin B2005

    • 著者名/発表者名
      Hideaki Nagamune
    • 雑誌名

      Journal of Infection and Chemotherapy 11・1

      ページ: 1-8

URL: 

公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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