研究課題/領域番号 |
15590122
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研究機関 | 城西国際大学 |
研究代表者 |
富岡 佳久 城西国際大学, 薬学部, 教授 (00282062)
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研究分担者 |
後藤 順一 東北大学, 医学部附属病院, 教授 (80006337)
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キーワード | ネオカルチノスタチン / 超天然物 / 抗体様タンパク質 / アミノ酸置換体 / エチジウムブロミド / 遺伝子ライブラリー / メガプライマーPCR |
研究概要 |
本研究は遺伝子工学的手法とプロテオーム技術を用いて、天然由来のクロモホア結合性タンパク質を改変し、天然物が持っていない高精密機能を有する超タンパク質を創製し、医薬品の適正使用への臨床応用を提供するための基礎的研究を行うことを目的とする。 タンパク質複合型抗癌抗生物質ネオカルチノスタチン(NCS)は、113アミノ酸のポリペプチド(NCS-apo)とクロモホア(NCS-chr)で構成される。天然のNCS-apoの機能は、疎水性ポケットに化学的に不安定なNCS-chrを包接するタンパク質である。NCS-chrとの結合に関与するNCS-apoのアミノ酸残基はタンパク質内部の他の残基とは相互作用せずタンパク質のフォールディングに直接関わっていないことが多い。NCBI登録の1NCOを解析し、NCS-chrから5Å以内に位置するアミノ酸残基を抽出し、続いてKH Kimらが示したapoNCSのトポロジーダイアグラムを考慮し、変異を入れる領域A(Pro49〜Phe52)、領域B(Phe76〜Gly80)、領域C(Gln94〜Ser98)を決定し、対応する変異導入用プライマーをデザインした。Megaprimer site-directed mutagenesis法とover-lap extension PCR mutagenesis法を組合わせ、目的の変異ライブラリーを調製した。その際、鋳型DNA調製にDam methylase/DpnI法の導入を検討した結果、本法がライブラリーへの変異導入効率を向上させるために有効であることを明らかにした。調製したNCS-apo変異ライブラリーを大腸菌発現ベクターに挿入し、選別培養を行うことにより、エチジウムブロマイドに対して親大腸菌株に比べ、耐性を示す大腸菌数株の単離に成功した。現在、遺伝子配列解析を継続中である。
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