研究概要 |
(1)apo-NCSにおけるクロモホア結合に関わるアミノ酸側鎖を探る目的で、apo-NCSのクロモホア結合ポケットの入り口部分に位置するアミノ酸であるSer98をそれぞれAla、Cys、Gly、Thrに置換したapo-NCSアミノ酸置換体を作製した。 (2)蛍光法によるapo-NCS簡易測定評価系を用いて、疑似クロモホアであるEtdBrとapo-NCS変異体との結合能を評価した結果、よりクロモホアとの結合活性の高いapo-NCSアミノ酸置換体(S98G)が得られ、apo-NCSを基本骨格とした超天然型apo-NCSの創製に期待が持たれた。 (3)Megaprimer PCR mutagenesis法、overlap extension PCR mutagenesis法を用い、apo-NCSのクロモホア結合に関与すると思われる領域A(49-52,PADF)、領域B(76-80,FLFDG)、領域C(94-98,QVGLS)の14アミノ酸側鎖のランダム化apo-NCS変異体ライブラリーを作製した。 (4)Megaprimer PCR mutagenesis法、overlap extension PCR mutagenesis法にdam methylation/DpnI digestionを組み合わせ、よりランダム変異導入効率のよいランダム化apo-NCS変異体遺伝子ライブラリーの作製に成功した。 (5)ランダム化apo-NCS変異体遺伝子ライブラリーを用い、ファージディスプレイ法にてグリチルレチン酸反応性apo-NCS変異体を単離・選別した結果、反応性が付与されたクローンを得ることに成功した。今後は、単離したクローンのより詳細な構造解析を進めるとともに、in vitroおよびin vivoにおける解毒作用を評価する系を確立していく予定である。
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