研究課題/領域番号 |
15590127
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
宮本 謙一 金沢大学, 医学部附属病院, 教授 (30100514)
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研究分担者 |
横川 弘一 金沢大学, 医学部附属病院, 助教授 (50283122)
野村 政明 金沢大学, 大学院・自然科学研究科, 助手 (20247480)
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キーワード | 個別薬物療法 / トランスポーター / in vivo薬剤耐性 / MRP2 / シスプラチン / n vitro感受性試験 |
研究概要 |
1.摘出腎癌から腎癌細胞を培養し各種ABCトランスポーターのmRNA発現とシスプラチンその他の抗がん剤の細胞内取り込みとの関係を検討したが、MRP2発現とシスプラチン細胞蓄積との関係には負の相関が認められた。ドキソルビシンなど他の抗がん剤の細胞内取り込みとの関係は明らかではなかった。 2.腎細胞癌を培養することにより低下するMRP2 mRNAの発現を回復させる生体内物質を検索した所、ラットAH66細胞を用いた研究で見出されたと同様、間接ビリルビンがその有力な候補であることが明らかとなった。 3.MRP2 mRNAの低発現検体が腎細胞癌からは得られなかった。基礎実験でラット肝癌細胞ではMRP2の発現程度が細胞によって異なることが観察されていたので、肝細胞癌の穿刺材料を用いた検討を開始した。 MRP2は多くの抗がん剤を輸送することが知られているが、in vitroでの実験ではシスプラチン取り込みとMRP2 mRNA発現との関係のみが明確となった。更に、MRP2 mRNA発現誘導因子は動物実験と同様、間接ビリルビンであることが強く示唆され、in vitroでの薬剤感受性試験がシスプラチン製剤の選択に適さないケースがあることを明確に示すことが出来た。
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