研究課題/領域番号 |
15590158
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
鳥橋 茂子 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (90112961)
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研究分担者 |
中山 晋介 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (30192230)
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キーワード | 消化管運動 / ペースメーカー / カハールの介在細胞 / 自動運動 / ES細胞 / BMP / PDGF / in situ hybridization |
研究概要 |
平成16年度は研究期間の後半にあたり、2つの新しい培養系のうちマウスES細胞を用いた腸管様構造の形成の研究とこれを用いたカハールの介在細胞の発生についてのin vitro実験を行った。その結果、ES細胞から形成される腸管様構造がマウス腸管の基本構造を備え、またその形成過程がマウス胚における消化管の器官形成と同じ過程をたどることを確認した。さらに内胚葉形成、消化管内皮細胞の分化に深く関る転写調節因子の発現をin situ hybridization法で検討したところ腸管様構造の形成過程でもこれらがほぼ同じ発現パターンを示すことがわかった。 また、このin vitroの実験系を用いて、カハールの介在細胞および消化管平滑筋細胞の分化には誘導因子であるBone Morphogenetic Proteins (BMPs)が深く関ること、さらにカハールの介在細胞がPlatelet Derived Growth Factor (PDGF) Receptor αを発現し、その近傍にPDGF familyを産生する細胞が分布してPDGFシグナル系がその分化に関ることが示唆された。これらのことについて、今後さらに実験発生学的に研究を進めていく計画である。 以上の研究成果について、第110回日本解剖学会総会のシンポジウムで発表する。さらに第38回日本発生生物学会総会および第20回国際消化管運動学会(フランス)でも発表すると共に論文発表を準備している。
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