研究概要 |
本研究の遂行にあたり約500個のアカウミガメの卵を必要とするが、アカウミガメが保護野生生物種であることからその採取には採補地の県知事の許可を必要とし、年間の許可総数は一腹(約100個)に限られている。以上の理由から、研究に必要とする標本の発生段階を4期に分け、4年間で一連の発生標本を揃えることとした。鹿児島県屋久島田舎浜にて保護団体の指導の下に15年度は99個の卵を得て標本を作製したが、約5割強の卵が輸送中に死卵となって研究に使えなかった。16年度と17年度はこの不足分を補うため特別の採補許可を取り、各年度とも2腹(総数200個)の卵を得た。 結果:16年度には、15年度の不足分と16年度の予定標本数を確保するため、段階毎に血管内色素注入標本と樹脂鋳型注入標本作製を試みた。その結果、16年度分については予定数を得る事が出来たが、15年度の不足分を完全に補うには至らなかった。17年度は17年度予定標本数を確保し15年度不足分を補うため、再度の特別採補許可を得るとともに、採取、輸送、飼育方法に改良を加え卵の生存率を上げた。その結果、15,16,17年度までに予定していた発生段階の血管内色素注入標本と樹脂鋳型注入標本をほぼ得ることが出来た。
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