研究課題/領域番号 |
15590169
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研究機関 | 岩手医科大学 |
研究代表者 |
佐藤 洋一 岩手医科大学, 医学部, 教授 (40118253)
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研究分担者 |
山内 広平 岩手医科大学, 医学部, 助教授 (20200579)
似鳥 徹 岩手医科大学, 医学部, 講師 (90128934)
松下 靖 岩手医科大学, 医学部, 講師 (80295980)
燕 軍 岩手医科大学, 医学部, 助手 (20316350)
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キーワード | 細胞内カルシウムイオン / 上皮組織 / 共焦点レーザー顕微鏡 / 画像解析 / 生組織・細胞標本 / ATP |
研究概要 |
【到達目標】 上皮細胞本来の極性を保った標本を用いて,細胞周期の各段階と細胞の分化度に応じて,Ca^<2+>の動員と流入,消去系にどのような相違がみとめられるかを明らかにする。 【結果】 ・前年度はレーザー破損と対物レンズの損壊が続き実験中断を余儀無くされたが、今年度は顕微鏡装置の移設に伴う実験中断が生じた。 ・膀胱粘膜上皮標本ではATPに対する反応が認められなかった。 ・昨年度に引続き性周期に応じて、機能と形態が著変する卵管上皮のイメージングをおこなった。6-8週齢のハムスター卵管上皮細胞ではでは、自発的なカルシウム律動が見られたのに対し、15〜20週齢では、それが消えた。ATPによる[Ca^<2+>]_i上昇はP2X受容体を介することがわかった。またこの刺激で上昇したカルシウムの消退は、幼弱な方が早かった。以上から、個体の成熟度に応じて、卵管上皮細胞の[Ca^<2+>]_i変動機構が変化していることがわかった。 ・ラットの鋤鼻器官(ヤコブソン器官)と嗅粘膜の上皮細胞のイメージングをおこなった。上皮をシート状にした標本と、ビブラトームによる切片標本の2種類を作製したが、反応をつかまえることができたのは、切片標本であった。これらの上皮細胞はニューロンが変化したものであり、High K^+による脱分極で、[Ca^<2+>]_iの上昇が生じた。また、雄の鋤鼻器官上皮は、妊娠雌の尿を1000倍に薄めたものに対して反応し、[Ca^<2+>]_iが上昇した。この反応はPKC抑制剤で増強した。 【まとめと展望】 不測の事故により、当初の細胞周期と[Ca^<2+>]_i変動の関わりについて、なにかしらの結論を出すには至っていないが、個体の成熟度や性に応じて、[Ca^<2+>]_i依存性の細胞内情報伝達系に変化がおきていることがわかった。性ホルモンが、どのような関与をしているか、研究を進めることで、当初の到達目標へ達すると思われる。
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