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2003 年度 実績報告書

ウイルス感染におけるラフト・カベオラの機能と細胞内シグナル応答について

研究課題

研究課題/領域番号 15590177
研究機関藤田保健衛生大学

研究代表者

野村 隆士  藤田保健衛生大学, 医学部, 講師 (20325161)

研究分担者 千田 隆夫  藤田保健衛生大学, 医学部, 教授 (10187875)
キーワードコロナウイルス / ラフト / カベオラ / コレステロール / カベオリン / 線維芽細胞
研究概要

これまでに,我々はCD13がヒト線維芽細胞の主要ラフト成分であり,生細胞において抗体を用いて架橋するとカベオラへ移動する現象を見出した.CD13はヒトコロナウイルス-229E (HCoV-229E)のレセプターであることから,HCoV-229Eは抗CD13抗体と同様にCD13を架橋しカベオラへ移動する可能性,その後カベオラから細胞内へ侵入する可能性について検討した.
HCoV-229Eをヒト線推芽細胞に氷温にて結合させた後,すぐに固定するとウイルスは特定の局在を示さなかった.ウイルス結合後,37℃,3時間培養を継続すると,ウイルスはカベオリン-1と一致した局在を示した.37℃,3時間培養後の標本では,電顕観察により,ウイルスは高頻度でカベオラの開口部に認められた.
膜コレステロールを枯渇させることで,ラフト,カベオラの機能を阻害した際のウイルス局在を追跡した.あらかじめ細胞にコレステロール結合試薬であるmethyl β-cyclodextrin(MeβCD)を作用させた場合,ウイルスとカベオリン-1の局在が一致する細胞数は有意に減少した.MeβCD処理後,コレステロールを付加すると,両者の局在が一致する細胞数は回復した.
膜コレステロール枯渇処理がHCoV-229Eの細胞内エントリーに与える影響を検討した.ウイルスを細胞に吸着させ,37℃,3.5時間培養後,トリプシン処理にて細胞表面のウイルスを除き,細胞内のウイルス量をRT-PCR法を用いて定量した.MeβCDで前処置した細胞では,細胞内ウイルス量は減少した.MeβCD処理の後,コレステロール付加を行った細胞では,細胞内ウイルス量は回復した.
現在,カベオリン-1のドミナントネガティブ分子を発現した細胞株,siRNAをトランスフェク卜した細胞株におけるHCoV-229Eエントリーについて検討中である.

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Atsushi Shimomura: "Lithium inhibits apoptosis of mouse neural progenitor cells."Neuroreport. 14・14. 1779-1782 (2003)

  • [文献書誌] Takao Senda: "The expression of cytokeratin in hepatic stellate cells of the cod."Arch.Histol.Cytol.. 66・5. 437-444 (2003)

  • [文献書誌] 日本組織細胞化学会: "組織細胞化学2003"学際企画. 232 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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