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2005 年度 実績報告書

ウイルス感染におけるラフト・カベオラの機能と細胞内シグナル応答について

研究課題

研究課題/領域番号 15590177
研究機関藤田保健衛生大学

研究代表者

野村 隆士  藤田保健衛生大学, 医学部, 講師 (20325161)

研究分担者 千田 隆夫  藤田保健衛生大学, 医学部, 教授 (10187875)
キーワードコロナウイルス / ラフト / カベオラ / コレステロール / カベオリン / 線維芽細胞
研究概要

カベオラエンドサイトーシスに関して解析を行っている中で,我々は,カベオラはヒトコロナウイルス-229E(HCoV-229E)の細胞内侵入に利用される可能性を見出し,これまで報告してきた.今年度は,HCoV-229Eがカベオラから細胞内に侵入する際のエンベロープ膜,カベオラ膜の動態をとらえるため,蛍光標識ウイルスの作製と平行して,凍結超薄切片による免疫電顕解析を行った.
まず,エンベロープ膜を追跡するためには,HCoV-229Eのエンベロープを認識する抗体が必要とされる.そこでエンベロープタンパク質に対する抗体を作製した.ヌクレオカプシドを認識する抗体とともに,免疫電顕解析を行った.
HCoV-229E結合後,3-4時間培養した細胞を固定し解析を行ったところ,細胞表面においては,1)複数のカベオラが集合し,ウイルスを取り込むような像,2)エンベロープ膜とカベオラ膜が癒合した像が認められた.次に,細胞内においては,1)単一のカベオラ小胞に取り込まれたヌクレオカプシド像,2)複数のカベオラ小胞の癒合した膜に取り込まれたヌクレオカプシド像,3)脱殻して膜がなくなったヌクレオカプシド像が認められた.
以上のことから,HCoV-229Eは,細胞内侵入の際1)複数のカベオラが集まり,エンベロープとカベオラ膜の膜癒合が起こり,2)カベオラエンドサイトーシスにより細胞内に取り込まれ,3)複数のカベオラが集まって形成されたカベオソームに移動し,やがて脱核する経路を経る可能性が考えられる.現在,蛍光標識ウイルスを作製中であり,これが完成すれば,リアルタイムイメージング解析を行いたいと考えている.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] Anti-calreticulin antibody binds to a membrane protein in caveolae2005

    • 著者名/発表者名
      Ryuji Nomura
    • 雑誌名

      Acta Histchem.Cytochem. 38・1

      ページ: 43-52

  • [雑誌論文] 細胞膜カベオラからのウイルス侵入機構2005

    • 著者名/発表者名
      野村 隆士
    • 雑誌名

      日本顕微鏡学会誌「顕微鏡」 40・2

      ページ: 131-133

  • [雑誌論文] カベオラエンドサイトーシスとウイルス侵入2005

    • 著者名/発表者名
      野村 隆士
    • 雑誌名

      日本ウイルス学会誌「ウイルス」 55・1

      ページ: 19-26

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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