研究概要 |
マウス電位依存性カルシウムチャネルβ1,β2,β4のゲノム構造を明らかにした(Murakami et al., Molecular and Cellular Biochemistry 254,217-225,2003,Murakami et al., Journal of Molecular Neuroscience 21.13-22,2003)。特に、β2に関しては、新規スプライスバリアントを同定し、その機能を解析した。 β3サブユニット遺伝子欠損マウスに関しては、食塩感受性の血圧上昇や、血管平滑筋におけるカルシウムチャネル数の減少ならびにチャネル特性の変化を論文発表した(Murakami et al., J.Biol.Chem.278,43261-43267,2003.)。さらにマウスにおける直接血圧、心電図や心筋収縮測定の実験系を確立し、同マウスにおける交感神経系のトーヌスの異常を確認した(Xu, F., Murakami, M., et al., abstract 2004年3月、2003年度日本薬理学会総会にて報告予定)。 洞房結節の発現解析、および免疫染色によりα1C,α1D,β2,β3およびβ4遺伝子の発現をマウスにおいて確認した。 現在作製ずみの各βサブユニットマウス同士を交配し、複数遺伝子欠損マウスを作製中で、すでに複数のヘテロ遺伝子異常マウスを所持している。 上記カルシウムチャネル解析の他に、陽イオンチャネルであるマウスTRPM4遺伝子を世界で初めてクローニングし、同チャネルが細胞膜上に位置し、カルシウムを通す陽イオンチャネルであることを示した(Murakami et al., Biochemical & Biophysical Research Communications.307,522-528,2003)。
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