研究概要 |
複数種ある電位依存性カルシウムチャネルのうち、R型が痛覚伝達に関与することを示した。 (Brain Res.,1024,122-129,2004) 新規カルシウムチャネル拮抗薬であるプラニジピンがN型チャネル抑制作用を示すこと、さらに鎮痛効果があることを示した。 (Neuroscience letters,367,118-122,2004) 電位依存性カルシウムチャネルβ3サブユニット遺伝子欠損マウスに関しては、β3サブユニットがすい臓のランゲルハンス島β細胞においてカルシウムオシレーション形成に重要な役割を担い、インスリン分泌に関与すること、それがイノシトール3リン酸の増加によるものであることを示した。 (Cell,119,273-284,2004) さらに、β3サブユニット遺伝子欠損マウスに関し、直接血圧、ランゲンドルフ心による心内圧変化測定、心電図や心筋収縮測定の実験系を確立し、同マウスにおける交感神経系のトーヌスの異常を確認した(Xu, F.,Murakami, M.,et al.,abstract 2005年3月、2004年度日本薬理学会総会にて報告予定)。 現在作製ずみの各βサブユニットマウス同士を交配し、複数遺伝子欠損マウスを作製した。 上記カルシウムチャネル解析の他に、TRPの兄弟遺伝子であり、陽イオンチャネルを構成するマウスPKD2L1遺伝子を世界で初めてクローニングし、同チャネルがPKD1と結合することにより、ERから細胞膜上に移動し、カルシウムを通す陽イオンチャネルであることを示した。 (Murakami et al.,Journal Biological Chemistry,2005 in press)
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