研究課題/領域番号 |
15590188
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
亀山 正樹 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (60150059)
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研究分担者 |
はお 麗英 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (40311881)
矢澤 和人 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 講師 (90212274)
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キーワード | Caチャネル / 心筋細胞 / パッチクランプ / rundown |
研究概要 |
L型Caチャネルは、神経、筋組織等において、細胞機能に重要な役割を果たしており、その調節機構を解明することは、細胞機能制御の観点において重要である。申請者らは、同チャネルのrundown現象が細胞内蛋白因子とATPの喪失に起因することを発見し、その蛋白因子の一つがカルパスタチンであることを見出したが、他の因子については不明のままである。最近、カルモジュリン(CaM)がrundownしたチャネルの活性を回復させることが示唆されたので、本年度の研究は、L型CaチャネルのrundownにCaMがどのように関連しているかについて重点的に実施された。 モルモット単離心筋細胞において、パッチクランプ法(cell-attached mode)によりL型Caチャネル電流を記録した。その後、inside-out法によりチャネルをrundownさせた後、CaM等を投与しチャネル活性の回復を見た。その結果、CaM(0.03-3μM)は3mM ATP存在下でCaチャネルを用量依存性に活性化することが判明した。CaMの効果には、ATPの存在が必要であり、また、フリーCa濃度が0.5μM以上になると効果が見られなくなった。更に、この効果はCaMキナーゼII阻害剤(KN-62、CaMKII281-309、AIP:autocamtide related CaMKII inhibitor peptide)には影響を受けなかった。以上のことより、CaMはL型Caチャネルとダイナミックに結合し、CaMはATPとともにチャネルの活性に必要であると考えられた。従って、CaMのチャネルからの解離は、チャネルを不活性状態(即ちrundown)にすると推察される。
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