研究課題/領域番号 |
15590191
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
本間 生夫 昭和大学, 医学部, 教授 (20057079)
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研究分担者 |
白澤 卓二 東京都老人総合研究所, 分子老化研究グループ, 副参事研究員 (80226323)
金丸 みつ子 昭和大学, 医学部, 助手 (40255716)
岩瀬 みち子 昭和大学, 医学部, 講師 (80119164)
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キーワード | プレスバイタリアン / 異常ヘモグロビン / 低酸素 / 高炭酸ガス / 酸素消費量 / 炭酸ガス排出量 / 低酸素血症 |
研究概要 |
慢性呼吸不全は肺からの酸素供給が不十分で動脈血酸素分圧が下がり組織低酸素をきたす。長期在宅酸素療法は肺からの酸素供給を高め低酸素血症を改善しているが、より良く組織への酸素を供給するためにヘモグロビンのアロステリック効果に着目した。ヘモグロビンの酸素解離曲線が右方移動しているPresbyterian型変異をマウスβグロビン遺伝子に導入したノックインマウスを作製した。このPresbyterian型変異マウスの組織呼吸に及ぼす機能獲得効果を調べた。マウス用ボディープレチスモグラフにより高炭酸ガス下、低酸素下に調ける呼吸パラメーターと代謝量を測定し、野生型マウスと比較した。Pres型マウスと野生型マウスで酸素消費量、炭酸ガス排出量を比較したところ15%O_2の低酸素吸入下においてPres型マウスでは酸素消費量、炭酸ガス排出量とも野生型マウスに比べ高くなっていた。換気量に関しては両群に差はなく、Pres型マウスでは酸素利用効率が高まっていることが示された。但し10%O_2とさらに低酸素吸入下においては両者に差は認められなかった。このことはPres型マウスのヘモグロビンの酸素解離度は高くても結合も同時におちていることがうかがえる。21%O_2の空気吸入下においては15%O_2吸入下と同様、酸素消費量が高く、Pres型マウスでは普段の運動量も高いことが示された。なぜ運動量が高いかについては今後の研究が必要である。炭酸ガス応答に関してはPres型マウスで低く、血中の炭酸ガス分圧も正常より高く、アチドーシスになっていた。Pres型マウスではなぜ換気応答が低いのかは興味深いところであり、将来の低酸素症改善法に向けて解決しなければならない問題である。
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