研究課題
基盤研究(C)
生細胞でのpH可視化測定今回改良したプローブ遺伝子を生細胞に導入し、可視化測定を試みた。イオノフォア存在下、外液pH変化に依存して蛍光比は変化し、そのpKaは合成蛋白と同様であり、in vitroの結果と同様にS/N比が増大していた。pHプローブ融合α_1受容体の細胞内局在とリガンドによる移動α_<1A>とα_<1B>受容体は膜近傍に集積が認められ、膜近傍に受容体が存在していた。しかし、α_<1D>受容体は細胞膜内側に受容体が存在し、膜への局在は認められなかった。pHの分布を見ると、膜内側のpHはα_<1B>>α_<1A>となっており、受容体の局在部位が異なる可能性がしめされた。またα_<1D>受容体の細胞質中のpHはα_<1A>受容体とα_<1B>受容体の中間の値を示した。NE10^<-7>Mの刺激によりα_<1A>ではpHが低下し、α_<1B>のpHは直ちに上昇し、内側への受容体の有意な集積を認めた。α_<1A>では細胞内への有意な集積は認められなかった。また、α_<1D>は、pHの変化並びに局在の変化は認められなかった。水素イオン濃度による受容体局在変化膜型であるα_<1B>と膜・細胞質型であるα_<1A>、細胞質型α_<1D>受容体局在へのpHの影響を解析するため、細胞外液にNH_4Cl 10mM並びに乳酸1mMを加えることによりpHを変化させた。NH_4Clの投与により、細胞内pHは上昇し、α_<1B>・α_<1A>受容体はpHの上昇に引き続き細胞内移行を示した。移行の程度は、α_<1B>ではNE刺激により軽度であった。一方、α_<1D>受容体では局在の変化は認められなかった。乳酸1mMの投与により、細胞内pHは直ちに低下し、α_<1B>・α_<1A>受容体はpHの低下に引き続き、膜への移行を示した。α_<1D>受容体は細胞内pHの低下による局在の変化は認められなかった。細胞内pHを変えることにより、局在がpHにより制御され、制御機構がサブタイプ毎に異なる事が示された。免疫電顕法による細胞内局在の決定これまでの実験により、α_1受容体サブタイプ毎に、pHからみた局在部位が異なり、その局在の制御メカニズムが異なることが示唆される。細胞内局在部位が不明であり、制御機構の理解は光顕レベルでは困難である。このため、局在マーカーとの共発現実験と平行して、免疫電顕を行い現在より仔細な局在部位の決定を行っている。
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Nat Med 11
ページ: 90-94
Dev Biol 268
ページ: 245-257
Nat Med. 11
Dev Biol. 268