研究課題/領域番号 |
15590199
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研究機関 | 兵庫医科大学 |
研究代表者 |
矢島 幸雄 兵庫医科大学, 医学部, 助教授 (10068489)
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研究分担者 |
永田 徹 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (60131588)
山本 悟史 兵庫医科大学, 医学部, 助教授 (60220464)
西崎 知之 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (00221474)
長井 薫 兵庫医科大学, 医学部, 助手 (20340953)
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キーワード | 神経膠細胞 / 線条体 / アセチルコリン / 小胞輸送 / アデノシン / アデノシンA2a受容体 / PKA |
研究概要 |
神経膠細胞からのアセチルコリン放出機構について検討し、下記の結果を得た。 1、ラット培養線条体神経膠細胞にアセチルコリントランスフェラーゼ活性があることを免疫組織学的検索、ウェスタンブロッティングにて確認した。 2、ラット培養線条体神経膠細胞から放出されるアセチルコリンを高速液体クロマトグラフィーにて測定した。アデノシンあるいはアデノシンA_<2a>受容体アゴニストCGS21680刺激により線条体神経膠細胞からアセチルコリンが放出された。 3、このアセチルコリン放出作用はアデノシンA_<2a>受容体アンタゴニストDMPX、PKA阻害剤H-89、小胞輸送阻害剤brefeldin Aで抑制された。 4、アデノシンあるいはCGS21680はラット培養線条体神経膠細胞内Ca^<2+>濃度を増加させた。 5、この細胞内Ca^<2+>濃度増大作用はDMPX、H-89、brefeldin Aで抑制された。 6、これに対して、ホスホリパーゼC阻害剤neomycin・U73122、イノシトール3燐酸受容体阻害剤xestospongin、リアノジン受容体阻害剤ryanodine、小胞体Ca2+放出阻害剤TMB-8、ギャプジャンクション阻害剤octanol、非選択的Ca2+チャネル阻害剤cadmiumはアデノシン・CGS21680の効果を抑制しなかった。 上記の結果は、アデノシンがアデノシンA_<2a>受容体を介してGs蛋白質活性化→アデニレートシクラーゼ活性化→cAMP産生→PKA活性化→小胞輸送による線条体神経膠細胞内Ca^<2+>濃度上昇→アセチルコリンの小胞輸送・放出の経路が存在することを示唆している。
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