研究課題/領域番号 |
15590201
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生理学一般
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研究機関 | 生理学研究所 (2004) 岡崎国立共同研究機構 (2003) |
研究代表者 |
SABIROV Ravshan 生理学研究所, 細胞器官研究系, 助教授 (60322632)
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研究分担者 |
岡田 泰伸 生理学研究所, 細胞器官研究系, 教授 (10025661)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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キーワード | ATP / ATPチャネル / マキシアニオンチャネル / 容積感受性アニオンチャネル / CFTR / ポアサイズ / ATP放出 |
研究概要 |
細胞は虚血や低浸透圧刺激などのストレスに対して、緊急アラーム信号としてATPを細胞外に放出し、そのATPを細胞外シグナルとして用いることが知られている。例えば、上皮細胞では低浸透圧刺激による細胞膨張時においてATP放出が見られ、そのATPは細胞外から容積調節能を高める役割を果していることが知られている。また、心筋細胞では心筋梗塞時や虚血・低酸素刺激時においてATP放出が見られ、その役割が注目されている。その細胞外ATP放出の非エキソサイトーシス性通路としてマキシアニオンチャネル、容積感受性外交整流性(VSOR)Cl^-チャネル及びCFTR Cl^-チャネルなどが挙げられてきた。本研究の目的は、これら3種のチャネルのポアのサイズが、実際にATPのサイズより大きいかどうかを調べることにある。 種々の大きさを持った非電解質有機分子(ポリエチレングリコールなど)のポア内侵入によってシングルチャネルコンダクタンスが現象することを指標にしてポアサイズを測定した。その結果、マキシアニオンチャネルのポアサイズは約1.3nmであり、VSOR Cl^-チャネルのそれは0.63nmであり、CFTR Cl^-チャネルのそれは内側入口は約1nmで、外側入口は約0.6nmしかないことが判明した。ATP^<4->やMgATP^<2->の実効サイズは0.6〜0.7nmであるので、VSORポア及びCFTRポア外側入口の大きさはATPサイズとほぼ等しく、それらが自由に大量にATPを透過させることは考えにくいことが判明した。一方、マキシアニオンチャネルのポアサイズはATPサイズよりもはるかに大きく、これが最もATPチャネルとして働くのに適したポアサイズを持つことが明らかになった。
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