研究課題/領域番号 |
15590206
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
有田 順 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 教授 (80128587)
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研究分担者 |
石田 真帆 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 助手 (80362086)
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キーワード | エストロジェン / 細胞増殖 / プロラクチン / 下垂体前葉 / エストロジェン受容体 |
研究概要 |
研究計画1 プロラクチン(PRL)細胞特異的GFP発現トランスジェニックラットの下垂体前葉から得られたPRL細胞集団におけるエストロジェンの増殖促進作用を調べる実験 (1)前年度に作成したPRLプロモーター調節下にGFPを発現するトランスジェニックラットの数種類のラインを詳細に検討した結果、発現GFPの蛍光強度、PRL細胞でのGFPの発現率と発現特異性の観点からソーティング実験に用いるラインとしてMI-11-90を選択した。このラインにおいてもGFP発現細胞の一部、特に弱い蛍光を示す細胞は、PRL細胞以外の細胞であったことから、トランスジェニックラットでは3kbの長さのPRLプロモーターはPRL細胞発現特異性を決定するのには一部不十分であることがわかった。 (2)FACSを用いてGFP発現下垂体細胞を選択的に分取し、約90%がPRL細胞によって構成される細胞集団(多PRL細胞集団)を得ることに成功した。 (3)通常下垂体前葉細胞集団で見られたエストロジェンのPRL細胞増殖促進作用は多PRL細胞集団では増強していた。一方、IGF-1存在下に見られるエストロジェンのPRL細胞増殖抑制作用はこの多PRL細胞集団では完全に消失していた。 研究計画2 アデノウィルスベクターを用いた、PRL細胞特異的エストロジェン受容体ミュータント発現のエストロジェンの増殖促進作用に対する影響を調べる実験 PRLプロモーター下にリポーター遺伝子を発現するベクターを使って、アデノウィルスベクターの感染条件を詳細に検討し、下垂体前葉細胞の培養開始初期のインスリン刺激培養期間中に5MOI程度の濃度で感染させることによって最大感染効率が得られることがわかった。しかし、この最大効率をもってしてもリポーター遺伝子の発現は、全PRL細胞の約30%の細胞に限定されていた。
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