研究課題
基盤研究(C)
1.発達に伴う消化吸収関連遺伝子の発現変動と関連する転写調節因子:ラット小腸の発達過程では、出生前後に細胞性レチノール結合タンパク質(CRBP II)遺伝子の発現が急激に上昇した。この時期にはRXRαとHNF-4が絨毛細胞の核内で協調的に高レベルに発現していた。RXRαのリガンド産生に関与するレチノイン酸合成酵素RALDH1とRALDH2の遺伝子発現は肝臓および小腸で出生直前に高まっていた。出生直前のラット小腸をRXRαのリガンドおよび合成アゴニストの存在下で器官培養すると、CRBP IIの遺伝子発現が増大した。2.小腸絨毛における消化吸収関連遺伝子の転写調節因子の発現とリン酸化による調節:ラットに高脂肪食を投与したところ、CRBP IIタンパク質の発現量が絨毛基部から先端まで増大した。転写制御因子であるPPARαとHNF-4の発現量が増大し、PPARδの発現量が減少した。PARδの標的遺伝子をヒト小腸様細胞株C2BBe1を用いてプロテオミクス解析したところ、HMG-CoA合成酵素を誘導するとともにグルタチオンS転移酵素を誘導した。forskolinの投与によりヒト小腸様細胞株C2BBe1のHNF-4をリン酸化すると、CRBP II遺伝子プロモータDR-1型エレメントへのHNF-4の結合が低下した。CRBP II遺伝子の基本的な発現の維持にはNF-4が関与し、RXRαはリガンド存在下でCRBP IIの発現を増強させることが示唆された。3.消化吸収関連遺伝子の日内リズム形成機構の検討:ラット空腸のCRBP IIは転写レベルで日内変動を示した。その変動幅は食事中の脂肪含量によって変化し、無脂肪食の摂取によって消失した。従って、食事由来の脂肪酸が小腸における直接の遺伝子発現調節因子となり、CRBP II遺伝子発現の日内変動をもたらしていることが示唆された。
すべて 2005 2004
すべて 雑誌論文 (8件) 図書 (2件)
Life Science (印刷中)
British Journal of Nutrition (印刷中)
Life Sci. (in press)
Br. J. Nutr. (in press)
Life Science 74
ページ: 1519-1528
Journal of Nutritional Science and Vitaminology 50
ページ: 265-271
Life Sci. 74
J. Nutr. Sci. Vitaminol. 50