1.ウサギ骨格筋より得られたリアノジン受容体(RyR1)をコ-ドするcDNA(全長約1万5千ベース)に、ただ一箇所でしか切断しない制限酵素部位(XbaI、677Sa1I、2349Bsu36I、3798BstBI、5355MluI、6822SpeI、8476BsiWI、9804AvrII、11290NdeI、12675NheI、14427C1aI、HindIII)をかつアミノ酸変異を生じないように導入して、「カセット構造化」を行なった。 2.一部のcDNAカセット(BstBI-MluI)を切り出して、このカセット内の制限酵素SfiI認識部位にPCRで増幅した緑色蛍光蛋白質(GFP)をコードするcDNAをフレームがずれない様に挿入して、GFPと融合するRyR1をコードするcDNAとした。 3.「カセット構造化した」RyR1 cDNAから、隣り合う2種類の制限酵素により約500アミノ酸をコードするカセット1個分(全長の約10分の1)を切り出し、この削除部分にフレームがずれない様に、合成オリゴヌクレオチドを挿入もしくはDNAポリメラーゼにより平滑化して後にDNAリガーゼにより連結させて部分欠損RyR1クローンとした。RyR1のcDNAの全長に渡りこの削除操作を繰り返して、約1500ベースずつ連続的に欠如した10種類の部分欠損クローンを作製できた。 4.各々の部分欠損RyR1クローンを哺乳類用発現ベクターに組み込み、培養CHO細胞に遺伝子導入して強制発現させると、蛍光顕微鏡下に、核を除く細胞質に点在するGFP蛍光が観察された。この細胞のGFP蛍光は、冷メタノールにより細胞膜を可透過化しても細胞質内に残存した。この現象は、欠損の無い全長RyR1 cDNAクローンの場合と同様であったので、すべての部分欠損クローンでも核を除く細胞質内オルガネラへの移行し維持されることが明らかとなった。
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