研究課題
1.気管支平滑筋におけるCPI-17の発現と収縮反応における役割に関する報告はなかった。α-toxinで膜透過性にした気管支平滑筋ではAChによってCa^<2+> sensitaizationが見られるが、Rho kinase(ROCK)阻害薬とprotein kinase C(PKC)阻害薬の処置によって強く抑制された。気管支平滑筋ではCPI-17の発現が初めて証明され、AChによってCPI-17のリン酸化(活性化)が促進されることもわかった。この促進はPKC阻害薬とROCK阻害薬によって抑制された。気管支平滑筋の収縮機構にRhoA/ROCK/CPIのcross-pathwayが関与することが示唆され。2.AChによって活性化されリン酸化されたCPI-17は細胞膜に移行することを初めて示した。High K^+による収縮時にはそのような現象が認められなかった。3.抗原でラットを反復チャレンジして得られた過敏性気管支では、CPI-17のmRNAとタンパクが有意に増大しており、AChによって発現するCPI-17のリン酸化および膜への移行は気道過敏性時には増大してた。4.マウスアレルギー性喘息モデルで気道過敏性を作成した。この過敏性気管支において、RhoAの発現が増大し、α-toxin膜透過性気管支でCa^<2+> sensitizationが観察された。この現象はラットの場合と同様であった。5.AChによるマウス気管支収縮時にはRhoAのupregulationによるCa^<2+> sensitization亢進がみられたが、両反応ともムスカリンM_3受容体遮断薬で抑制されたことから、M_3受容体の役割が明らかにされた。6.AChばかりでなく、endothelin-1による気管支収縮反応にもET_A受容体を介しRhoAを介する気道過敏性が証明された。
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