研究課題
平成15年度は「冬眠の神経調節機構の解明」研究を行い、ハムスターの冬眠は、導入期はadenosine A1受容体を介した中枢adenosine系、維持期はm1 opioid受容体を介した中枢opioid系、覚醒期はTRH-R1受容体およびD2受容体を介した中枢TRH-dopamine系という冬眠時期に特異的な神経機構により制御されていることを明らかにした。今年度は「低温負荷による生体侵襲に対する内因性保護因子の同定」研究を行い以下の成果を得た。(1)ラット初代培養大脳皮質ニューロンにおいて、低温処置によりアポトーシス様の神経細胞死が誘発されることを明らかにした。(2)低温で処置すると、ハムスター大脳皮質ニューロンとラット大脳皮質ニューロンに低温に対する抵抗性に差は見られず、冬眠動物のハムスターにおいても神経細胞死が発現することを明らかにした。(3)アデノシンはA_1、A_2両受容体サブタイプを介して低温処置により誘発される神経細胞死に対して保護作用を発現することを明らかにした。(4)モルヒネはμ、δ及びκ受容体を介して低温処置により誘発される神経細胞死に対して保護作用を発現することを明らかにした。(5)ヒスタミンはH_1受容体サブタイプを介して低温処置により誘発される神経細胞死に対して保護作用を発現することを明らかにした。(6)セロトニンは低温処置により誘発される神経細胞死に対して保護作用を発現することを明らかにした。
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Journal of Pharmacological Sciences 97 suppl.1
ページ: 163
Journal of Pharmacological Sciences 94 suppl.1
ページ: 226