研究課題/領域番号 |
15590249
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
岸 和弘 徳島大学, 分子酵素学研究センター, 助教授 (70284320)
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研究分担者 |
湯浅 智之 徳島大学, 分子酵素学研究センター, 助手 (50304556)
小畑 利之 徳島大学, 分子酵素学研究センター, 助手 (40325296)
蛯名 洋介 徳島大学, 分子酵素学研究センター, 教授 (00112227)
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キーワード | インスリンシグナル伝達 / APS / ノックアウトマウス / インスリン感受性亢進 |
研究概要 |
インスリンは代謝調節、細胞増殖因子として生体必須のホルモンであり、細胞膜に存在するインスリンレセプターと結合することにより作用を発現する。インスリン結合により活性化されたインスリンレセプターチロシンキナーゼはIRS-1をはじめ、多くの基質をチロシンリン酸化し、シグナルを伝達する。APS(Adapter protein containing a PH and SH2 domain)もまた、インスリン刺激により短時間で強くリン酸化される基質の一つであるが、その作用機作は明らかでない。 申請者らは、APSのインスリン作用に対する役割を、APSノックアウトマウスを用い検討した。空腹時、絶食時とも血糖値に差はなかったが、ipITT(腹腔内インスリン負荷試験)を行なうとAPSノックアウトマウスは対照に比較してより大幅な血糖値の低下が見られた。また、グルコースクランプ法により、ノックアウトマウスはインスリン感受性の亢進が明らかとなった。従ってノックアウトマウスは少ないインスリン量で血糖値の低下を引き起こし、またインスリン量が少なくても正常な血糖レベルを維持していることが分かった。APSはCb1と結合して、レセプターのユビキチン化とレセプターの代謝に関係している可能性があるが、ノックアウトマウスのインスリンレセプター量は正常マウスのそれと変わりがなかった。 本研究から、APSノックアウトによってインスリン感受性が増強されることが明らかとなった。APSノックアウトにおけるインスリン感受性亢進には、インスリン刺激による脂肪組織での糖取り込み亢進と、レプチン及びアディポネクチン量の増加が関与していることが示唆される。APSの作用抑制はインスリン感受性増大に有用であり、抗糖尿病薬の新規のターゲットとして期待される。
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