研究概要 |
本研究により、平成17年度中に明らかにした点は以下の通り。 1.EC-SODが、抗酸化効果に加えHB-EGFとEGF受容体の結合に抑制的に関与することで血管平滑筋細胞におけるEGFシグナリングを抑制すること。(Nishimura M, Free Radic Res, in press) 2.LECラットにみられる銅イオンの異常蓄積が、酸化ストレスを増大させ、トランスフェリンのN型糖鎖構造を破壊することをin vitroおよびin vivoで証明。(Yasuda J, Biochem Biophys Res Commun.342:127-34,2006.) 3.TNFはヒト血管内皮細胞にTransferrin receptorとdiverent metaltransportor1の誘導とferroportin1の抑制による鉄イオン蓄積をもたらし、細胞内酸化ストレスの増加させ心血管疾患の病態に関与すること。(Nanami M, Arterioscler Thromb Vasc Biol.25:2495-501.2005.) 4.HL60細胞を酸化ストレスに暴露することで、シアル酸の遊離が起こり、sialyl lewis xとE-selectinの寄与する細胞接着を低下させること。(Eguchi H, Glycobiology.15:1094-101,2005.) 5.三種類のモノクローナル抗体との反応性の違いからFALS発症の原因となるCu/Zn-SODの変異がGreek key loop構造の変化をもたらすことの証明。(Fujiwara N, J Biol Chem.280:5061-70,2005.) 6.変異Cu/Zn-SODは細胞骨格のアクチンと結合することで細胞周期の遅延をもたらし、細胞機能に影響すること。(Takamiya R, Am J Physiol Cell Physiol,288:C253-9,2005.)
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