研究課題/領域番号 |
15590259
|
研究機関 | 川崎医科大学 |
研究代表者 |
高田 穣 川崎医科大学, 医学部, 教授 (30281728)
|
研究分担者 |
平野 世紀 川崎医科大学, 医学部, 助手 (20368616)
松下 暢子 川崎医科大学, 医学部, 助手 (30333222)
石合 正道 川崎医科大学, 医学部, 助教授 (90298844)
|
キーワード | DNA二重鎖切断 / DNA修復 / プロテイントランスダクション / I-Sce I |
研究概要 |
本研究の目的は、高等動物培養細胞株を用いて、単一の染色体部位にDNA二重鎖切断(DSB)を誘導し、その後の修復過程をリアルタイムモニタリングするシステムを構築する事にある。特異的配列を認識してDNAを切断する制限酵素を、認識配列を含んだ人工基質をあらかじめ染色体に1コピー組み込んだ細胞に導入する。導入法として、18塩基認識制限酵素I-SceIにprotein transduction domain(PTD、細胞内移行シグナルの11アミノ酸)を付加した組み換え蛋白を作製する。培養液に添加することで細胞内導入が高効率に期待できる。 本年度は、PTD-I-SceIを作製するため以下のI-SceIのコーディング領域を含んだ大腸菌発現プラスミドを作製し、精製条件を検討した。 (1)6Xhis-TAT-I-SceI (2)6Xhis-I-SceI (3)GST-6Xhis-TAT-I-SceI まず(1)を発現した大腸菌からの可溶化を試みたが、ほとんど可溶化できなかった。そこで、(3)のプラスミドを試みたところ、20℃で培養し、低濃度のIPTGによって誘導することでほとんど可溶性になることがわかった。このプラスミドはGST部分とHis配列の間にPrescision酵素(ファルマシア社)の認識配列をもち、GSHカラムによる精製後この酵素を加えることで6Xhis-TAT-I-SceIが溶出されるデザインになっている。実際、予想の分子量のものが得られ、基本的に精製に成功したと考えている。ただし、もともとの誘導レベルが低いこと、おそらく大腸菌内で目的酵素が壊れていることからまだ十分な量の精製は出来ていない。現在さらに温度を下げた培養を検討し、また培養スケールをアップしてこの問題の解決を図っている。
|