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2003 年度 実績報告書

自己免疫疾患インシュリン依存型糖尿病の発症機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 15590269
研究機関信州大学

研究代表者

林 琢磨  信州大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (60359726)

キーワード自己免疫疾患 / 糖尿病 / LMP2 / 26Sプロテアソーム / IDDM
研究概要

自己免疫疾患の発症は、複数の遺伝子の異常発現の複雑な絡みを基盤としたポリジェネテイックなリスクファクターに起因されている。最近、そのリスクファクターの1つとして、免疫細胞で有意に認められるアポトーシスと自己免疫疾患の発症と関連性が指摘されている。NODマウスでのインシュリン依存性糖尿病(IDDM)の発症率は、生後30週令までの累計でメス80%、オス20%と明らかな性差が確認されている。免疫細胞内での蛋白分解酵素26Sプロテアソームの構成因子の1つであるLMP2の発現低下が、NODマウスのメスの免疫細胞において有意に認められ、LMP2の発現異常は組織特異的かつ週令依存的に顕著に認められていることが、申請者により報告された。つまり、NODマウスの免疫細胞は、LMP2の発現低下とそれに伴う26Sプロテアソームの不活性化が認められ、TNF-αに誘導されるアポトーシスに感受性である。この生物学的異常は、IDDMの発症に強い相関性が認められる。そこで、科学研究費補助金をもとに、申請者らは、LMP2遺伝子の発現機序を分子生物学的手法において解析を行った。LMP2の発現は、リンホカインの一種であるインターフェロン-γ(IFN-γ)により刺激された免疫細胞内において著しく誘導される。そこで、IFN-γシグナル(Stat1/IRF-1シグナルカスケード)によるLMP2遺伝子のポジテイブな誘導性について、IRF-1欠損マウスにおいて検討を行った。その結果、IFN-γにより刺激されたマウスの脾臓細胞内で、IRF-1依存的にLMP2遺伝子が著しくポジテイブに誘導されることが明らかとされた。現在、NODマウスの免疫細胞における、IRF-1の活性化について検討を行っており、IDDMの発症におけるIRF-1の不活性化の関与についてさらに検討をおこなっている。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Hayashi T, Faustman DL.: "Role of defective apoptosis in type 1 diabetes and other autoimmune diseases"Recent Prog Horm Res.. 58. 131-153 (2003)

  • [文献書誌] Kuhtreiber WM, Hayashi T, et al.: "Central role of defective apoptosis in autoimmunity"J.Mol.Endocrinol.. 31. 373-399 (2003)

  • [文献書誌] 林 琢磨: "子宮肉腫の発症機構:26Sプロテアソームの不活性化の発癌関与"実験医学. 21. 952-956 (2003)

  • [文献書誌] 林 琢磨: "形態形成におけるアポトーシスの役割"実験医学. 21. 2585 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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