研究概要 |
平成16年度は、昨年の反省をもとに、検体収集施設を広げるとともに家族例の収集も行った。 (1)旭川医科大学附属病院小児外科、神奈川こども医療センター小児外科に加え、北海道大学病院小児外科でも検体の収集を開始した。しかしながら、承諾を得られる率は低迷しており、検体の収集は順調とは言いがたい。今年度は、3世代にわたる家族例を収集することができた。この家系でのRET遺伝子の変化は、exon5のアスラパギン酸がヒスチジンに変化するミスセンス変異(D300H)であった。この家系では、3世代目に2家族4人の患者がいるが、2家族のお母様が従兄弟の関係にある。症状のないお母様もこの変化を有しており、主効果遺伝子とされるRETの変化だけでなく、その他の因子を推定させる例である。現在関与するGDNF,NRTN,エンドセリンB受容体とそのリガンドであるエンドセリン3のハプロタイプ解析を行っており、患児らに共通するハプロタイプの有無を検索している。 (2)平成15年度にハプロタイプ構築に必要なSNP抽出を終了したGDNF,NRTN,エンドセリンB受容体とそのリガンドであるエンドセリン3について、収集したケースでの相関解析をおこなっているが、現在のところ有意なハプロタイプを検出できていない。 (3)RET遺伝子に関しては、詳細な検討を進めExhaustive structure of haplotypes in RET geneとして投稿準備中である。 検体の収集状況を好転させるべく、検体収集施設を広げる必要がある。
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